キャンプといえば、やっぱり焚き火!夏は暑くて焚き火をしていなかった人もいると思いますが、最近は涼しくなり焚き火を目一杯楽しめる季節になってきました。
私は何度か焚き火をしていますが、まだまだ準備や片付けに手間取ることも多いです。初めて焚き火をしようと思った時は、何を準備すればいいのか、ちゃんと火起こしはできるのか、後片付けはどうしたらいいのか、と分からないことだらけでした。
そこで今回は初めて焚き火を楽しむ方に向けて火起こしから片付けまでの焚き火の全てについて解説していきます。
当記事のコンテンツ
焚き火の注意点
焚き火は火を扱うという性質上、きちんとルールやマナーを守り安全に楽しむ必要があります。
そこで焚き火を始める前に、最低限知っておいて欲しい注意点について説明します。
焚き火ができるキャンプ場を探す
焚き火に限ったことではありませんが、キャンプ場で決められたルールを守る必要があります。
キャンプ場によっては、焚き火自体を禁止しているところもあるため予約時に焚き火が可能かを調べておく必要があります。
焚き火がOKでも直火がNGのキャンプ場は多い
また焚き火が可能な場合でも、直火が不可となっているキャンプ場は多いです。直火とは地面の上で直接薪を燃やす方法のことです。
直火により地面がダメージを受けることや、きちんと後片付けをしないマナーの悪い利用者の存在などの理由により直火を禁止しているキャンプ場が多くなっています。
焚き火はしても良いが直火は禁止となっているキャンプ場で焚き火をする場合には焚き火台が必要になります。
灰捨て場があるか確認する
キャンプ場によっては、焚き火が終わった後の燃え残った薪や炭、灰を捨てられる場所があることがあります。
灰捨て場があるかどうかで、焚き火の後片付けの楽さが大きく変わるため、初心者は灰捨て場があるキャンプ場を選ぶようにしてください。
火の粉に気を付ける
出典:pixabay
焚き火をしていると火の粉が飛ぶことがあります。
火の粉は薪に含まれる水分が膨張し破裂することにより発生します。
そのため火の粉が飛ばないようにするためには、薪を地面に置いたりせずに、しっかりと乾いた薪を使用する必要があります。
どんなに気を付けていても火の粉は飛んでしまうことがあるため、自分や周りのキャンパーのテント・タープから離れたところで焚き火を行うようにしましょう。
火の粉がテントなどに飛んでしまうと、すぐに穴が空いてしまいます。
焚き火の道具
焚き火を行うにあたって、いくつか必要な道具があります。
初めて焚き火を行う際に必須となる道具としては、焚き火台、薪、着火剤、火バサミ・グローブがあげられます。
必須ではありませんが、あると焚き火を楽にするものとしては薪を割るための斧や鉈、火吹き棒、焚き火シートがあげられます。
焚き火台
焚き火台とは、その名の通り焚き火を行うための台です。
直火ができるキャンプ場であれば焚き火台が無くても焚き火を楽しむことはできますが、多くのキャンプ場で直火が禁止となっています。
また直火が可能なキャンプ場であっても、初心者は焚き火台を使うことをオススメします。
直火を行う場合には火起こし前に、かまど等の準備・片付けが必要となることや着火しにくくなることがあるため、初めは焚き火台を使った方が簡単です。
薪
当たり前ですが、焚き火を行うためには薪が必須です。
キャンプ場によっては落ちている枝などを拾って薪として使用することができます。
しかし乾いた木を選ぶ必要があることや大量の木を拾う必要があり時間がかかるため、薪は購入することがオススメです。
薪には大きく分けて針葉樹と広葉樹の2種類があります。
写真の左側が広葉樹で右側が針葉樹です。
キャンプ場などで売られている薪の多くは針葉樹です。
針葉樹は軽く火がつきやすく、燃焼時間が短いという特徴があります。
逆に広葉樹は重く火がつきにくいが燃焼時間が長いという特徴があります。
理想としては火起こしの際に使用する焚きつけには着火しやすい針葉樹を使用し、火が起きた後は燃焼時間の長い広葉樹を使用するのが良いと言われています。
しかし、初めて焚き火をやる際に薪を2種類用意するのは面倒です。
そのため針葉樹か広葉樹のどちらかだけの場合は針葉樹を用意することがオススメです。
広葉樹は重く硬いため薪割りがしにくいため、焚きつけ用に細い薪を作ることが難しく広葉樹のみで火起こしを行うのは難易度が高いといえます。
着火剤
出典:UNIFLAME公式HP
着火剤は無くても火起こしを行うことは可能ですが、着火剤を使わずに火起こしをするには、薪割りをして焚きつけ用の細い薪を用意する必要があることや枯れ葉や松ぼっくりなどの火がつきやすいものを準備する必要があるなどの手間や時間がかかります。
初めて焚き火をする際には着火剤を使用することがオススメです。
十分な量の着火剤さえあれば、薪割りをする必要もなく火起こしすることが可能です。
火バサミ・グローブ
火バサミとグローブも焚き火をする上で必須の道具です。
着火した後に火力の調節や焚き火台から落ちそうな薪を移動するために火バサミが必要になります。
また薪のささくれによる怪我や熱くなった火バサミ等による火傷を防ぐためにグローブが必要になります。
軍手でも問題はありませんが、耐熱性のグローブは頑丈であり熱いものも持てるため軍手よりも安全に焚き火を楽しむことができます。
斧・鉈
出典:UNIFLAME公式HP
火起こしをする際に、購入したままの薪では太すぎて着火しにくいことがあります。
そのため斧や鉈を使って薪割りをすることで焚き付け用の細い薪を作ることができます。
ただし、針葉樹の薪であれば着火剤を使用することで薪割りをしなくても難なく着火することが可能です。
火吹き棒
出典:amazon
火吹き棒は無くても問題なく焚き火を楽しむことはできますが、火吹き棒があると焚き火がすごく楽になります。
火吹き棒はピンポイントで空気を送り込むため、火起こしや火力が弱まってきたときに素早く火を大きくすることができます。
また、うちわと比べると空気を送り込むときに灰がかなり飛びにくいため快適になります。
焚き火シート
出典:ロゴス公式HP
焚き火シートは焚き火台の下に敷くことで、焚き火台から落ちる火の粉や灰から地面を守るものになります。
そのためマナーとして焚き火シートは準備しておいた方が無難です。
また焚き火シートがあると、灰や燃え残った薪を包むことができるため片付けが楽になるというメリットがあります。
火の起こし方
焚き火に必要な道具の準備が終わったら火を起こしていきます。
火起こしの方法を調べると、枯れ葉などに火をつけて、その火を枯れ枝に移して、次は細い薪に火を移して、徐々に太い薪に火を着けていくという流れで説明してあることが多いです。
このような方法は、しっかりと乾燥した枯れ葉や枝を準備する必要があることや、薪割りをして細い薪を作る必要があるため、準備が面倒で初心者には難しいです。
初心者にオススメな火の起こし方
私が焚き火の初心者にオススメする方法は、着火剤・割り箸・針葉樹の薪を使用する方法です。
方法は簡単で、着火剤の上に割り箸を何本か置き、その上に薪を組んだ状態で着火剤に火を付けるだけです。
着火剤を使用することで枯れ葉などを準備する必要がなくなり、割り箸を使用することで細い薪を準備する必要がなくなります。
またできるだけ細い針葉樹の薪を使用すれば簡単に火起こしをすることができます。
注意点としては薪に着火するまでに、何回か割り箸を追加することがあるため割り箸は多めに準備しておく必要があります。
また、薪を組む際に無造作に薪を置くと空気が通りにくくなり、なかなか火がつかない原因となります。
そのため、火のつきやすい薪の組み方をする必要があります。
薪の組み方(ティピー型、合掌型)
ティピー型は円錐状に薪を組む方法です。
円錐状に組むことで薪全体が熱せられるために一気に燃え上がります。
また高さのある火が作れるため見栄えの美しい焚き火を楽しむことができます。
ただし円錐状に薪を組むのが難しいことや一気に燃え上がり高い火を作り出すため火力の調整が必要になるため、初心者は注意が必要です。
薪の組み方(差し掛け型)
差し掛け型は太めの薪に細めの薪を立てかける方法です。
差し掛け型も空気が通る隙間があるため容易に火が起こります。
また組み方が簡単であることや、大きな火が起こらないことから初心者でも火力のコントロールがしやすくオススメの方法です。
火起こしの注意点
火起こしの際の注意点としては、火が着くまで薪を触りすぎないことがあげられます。
特に初心者の場合、なかなか着火しないために何度も薪を触って動かしてしまうことがあります。
何度も薪を動かしてしまうと十分に薪を熱することができずに結果として着火しないことになります。
ただし空気の通り道がなくなってしまっている場合であれば、一部の薪を移動させ空気の通り道を作った方が良いです。
また薪を組む際に薪を入れすぎないことも注意が必要です。
最初に薪を入れすぎた状態だと着火後に一気に火が大きくなり危険です。
また一気に燃えてしまうため薪がすぐに燃え尽きてしまい、長時間焚き火が楽しめなくなってしまいます。
焚き火を楽しむ
火起こしが終わった後は、火が消えないように薪を適宜追加することと、火事の危険があるため焚き火から離れないことだけに注意していれば問題ありません。
ゆったりと焚き火を眺めたり、焚き火を囲んで団欒するだけでも十分楽しめますが、焚き火を使ってさらに楽しむ方法もあります。
焚き火で調理する
焚き火で調理をする方法で一番簡単なのがホイル焼きです。
さつまいもやキノコ、トマトなど好きな食材をアルミホイルで包んで焚き火に入れるだけです。
長い時間焚き火に入れていると焦げてしまうため、こまめに取り出して確認した方がいいです。
焚き火では焼きマシュマロも楽しめます。
マシュマロを串や割り箸に刺して焚き火で炙るだけです。
マシュマロは焼くことによってトロッとして普段と違う食感となります。
またマシュマロは焦げやすいため、家族や友人たちと誰が一番上手く焼けるかを競って楽しめます。
またホットサンドメーカーがある場合は、ホットサンドを作ったりウィンナーを焼いたりすることもできます。
寒いキャンプの朝に焚き火で温まりながらホットサンドを作るのは気持ちがいいです。
虹色の火を楽しむ
出典:ARTFIRE公式HP
普通の焚き火だとオレンジ色の火しか見ることができませんが、ARTFIREという商品を焚き火に入れると虹色の火を楽しむことができます。
原理としては中学理科で習った炎色反応を使用しています。専門家学調査機関の検査で有害物質が出ないことが確認されているため安全に楽しむことができます。
焚き火の後片付け
焚き火を楽しんだ後は後片付けです。
正しい方法で後片付けをしないと火事や火傷の危険性があるため、後片付けの方法はしっかりと確認してください。
薪の燃焼時間
いざ後片付けをしようと思っても、まだ火が上がっていると安全に後片付けができません。そのため、後片付けをする時間を考えて焚き火をする必要があります。
薪の種類にもよりますが、薪を投入してから燃え尽きるまで約1時間かかります。
そのため後片付けの1時間前になったら薪を追加するのを止める必要があります。
薪はしっかりと焼き尽くそう
焚き火をしていると一部が燃え残った薪が出ることがあります。
しかし燃え残った薪は火が消えたと思っても実は消え切っておらず、時間が経ってから再び燃えだす危険性があります。
そのため、全部灰になるように焼き尽くしてください。
このとき火吹き棒があると簡単に燃やし尽くすことができるため便利です。
水での消火は厳禁!
出典:pixabay
後片付けをする際に、水をかけて消火をすることは厳禁です。
水をかけることで火が爆ぜて火傷をする危険があり、また急激な熱の変化により焚き火台が変形する恐れがあるためです。
そのため焚き火をする際は、終わる時間の1時間前には薪の追加を止めて全部が灰になるように、しっかりと燃やし尽くす必要があります。
灰の捨て方
灰捨て場があるキャンプ場であれば、火が消えて焚き火台が熱くなくなった段階で焚き火台ごと灰捨て場へ持っていき燃え残った灰などを捨てるだけになります。
焚き火シートを使用している場合は、灰を焚き火シートで包んで持っていくことも可能です。
基本的に初心者は灰捨て場があるキャンプ場を選んでください。
万が一、灰捨て場がなかった場合は、十分に冷めたことを確認した上で灰をゴミ袋に入れ、そこにたっぷりの水を入れてください。
また他のゴミが入っているゴミ袋は使用せず、灰だけを入れるようにしてください。
火が消え切っていない場合は発火の可能性があることや、水を入れるため穴が開いた場合に悲惨な状態となってしまうためです。
安全に焚き火を楽しもう!
寒い季節に焚き火で暖を取ったり、焚き火を囲んで団欒したりすることはキャンプの大きな魅力です。
焚き火をする際はキャンプ場のルールをしっかりと確認し、安全な方法で焚き火を楽しんでください。