冬のキャンプ時において、火を使うことは料理するだけなく、快適に暖をとるためにも重要です。
火の起こし方はスタイルによってさまざまですが、最近ではガス缶を使った火も注目されています。
ここでは、ガス缶の種類や成分についての解説、おすすめ品などを紹介していきます。
当記事のコンテンツ
CB缶、OD缶、どちらか冬向きなの?
キャンプ時に使用するガス缶は主に、CB缶とOD缶の2種類に分類されます。
これらそれぞれ特徴が異なり、また使用できる製品にも違いがあります。
ここではまず、CB缶とOD缶をそれぞれ解説していきます。
CB缶とは?
出典:イワタニ公式サイト
CB缶は一般的なカセットコンロなどにも使われている、最もポピュラーといえるガス燃料です。
コンビニやスーパーなど身近なところでも販売されており、またキャンプ時だけでなく、家庭用のカセットコンロとも併用できます。
価格帯も安いことも大きな魅力のひとつです。
実用性が高く、入手しやすいことなどがメリットとしてありますが、一般向けであるため火力が弱く低温時に弱いなどのデメリットもあります。
OD缶とは?
出典:SOTO公式サイト
OD缶はアウトドアメーカーがキャンプ時やアウトドア時を想定して開発したガス燃料で、名前の由来の「OutDoor(アウトドア)」からとされています。
そのため、CB缶に比べ寒さに強く火力も安定していることなどがメリットとしてあります。
ですが、基本的にはアウトドア用品を取り扱うお店やネットショップでしか購入できず、価格帯やランニングコストがCB缶よりも多いことなどのデメリットもあります。
ガスの成分にも注目
出典:スノーピーク公式サイト
CB缶とOD缶これら2種類のガス燃料は、使用されている成分やその比率によっても火力や安定感が異なります。
3つの成分
CB缶とOD缶のそれぞれには、ブタン・イソブタン・プロパンと呼ばれる成分が含まれており、この3つの成分はCB缶とOD缶それぞれに共通した成分でもあります。
ブタン・イソブタン・プロパンこれら3つの成分を液体化させたものがそれぞれのガス燃料に使われているのですが、使用されている比率によって火力や安定感が異なるようです。
成分によって火力が決まる
上記にもあるように、CB缶とOD缶のそれぞれには3つの成分が主に使用されており、製品の火力や質はこれらの合成比率で決まります。
ブタン・イソブタン・プロパンこれら3つの成分の大きな違いは、液化ガスの沸点にあります。
- ブタン:-0.5℃
- イソブタン:-11.7℃
- プロパン:-42.09℃
このようにこれら3つの成分は沸点が大きく異なります。
この数値で何がわかるのかというと、寒さに対しての強さです。
例えばこれら成分を同じ外気温で比べた場合、沸点が低いガスほど液体から気体に代わる気化の勢いが強くなります。
つまり、「プロパン>イソブタン>ブタン」の順に気化の勢いが強いということになります。
気化の勢いが強いということは、寒さにも強く火力が強くなるということになるので、単純に「気化の勢いの強さ=寒さへの強さ・火力」ということになります。
合成比率で火力を上げる
上記の成分はあくまでも3つの成分それぞれ単体での火力です。
そのため、ブタン・イソブタン・プロパンにそれぞれに大きな差が生じますが、これらを上手く組み合わせることで、コストと火力のバランスを保つことができます。
例えば、一番火力の低いブタンに、一番火力の高いプロパンを合成させれば、ブタンをベースにしたガス缶でも火力を上げることもできますし、逆に火力が高すぎればブタンの比率を上げることで火力を下げることができます。
ガス缶の火力を図る上で、どの成分が主軸に使われているかも大事ですが、それぞれの成分がどのくらいの比率で使われているかもあわせて注目することが大事だといえるでしょう。
CB缶の合成比率
一般的な家庭でも使えるCB缶の場合、カセットコンロで有名なイワタニ製のCB缶で「ブタン70%:イソブタン30%」となっています。
イワタニ製のガス缶はシェアが多いため、これがある意味CB缶の基準になるといえるでしょう。
ですが、CB缶の中にはブタンにプロパンを合成させている製品もあるため、寒い冬キャンプ時や、気温の低い場所でのキャンプの場合は、火力が高いプロパンが合成されているCB缶を選択肢に入れておくのもアリです。
OD缶の合成比率
OD缶の場合も、取り扱っているメーカーによって合成比率が異なりますが、「ブタン65%:イソブタン33%」の比率が平均的で、CB缶に比べ若干火力が高い感じです。
ですが、オールシーズンに対応したハイパワータイプだと「ブタン75%:プロパン25%」などといった、イソブタンをプロパンに変更して極端に火力を上げたものなどもあり、このタイプであれば気温が低いエリアでも十分に対応できます。
時期や環境によって商品を選ぶことができる点も、OD缶の大きな特徴だといえるでしょう。
氷点下にも負けないキャンプ用ガス缶4選!
ここからは、特に冬キャンプで使えるCB缶・OD缶それぞれのおすすめ品をいくつか紹介していきます。
SOTO パワーガス ST-760
出典:SOTO公式サイト
メーカー | SOTO |
タイプ | CB缶 |
成分内容 | ブタン(70%)・プロパン(30%) |
プロパンを合成させることで、CB缶でもハイパワーを可能にしたSOTOのCB缶パワーガスボンベ3本パックセットです。
SOTO製品のシングルバーナーやレギュレーターストーブにも対応しているので、寒い冬のキャンプにおいても安定感のある火力を提供してくれます。
他のCB缶に比べ火力が高い
価格帯も安くコスパが良い
新富士バーナー パワーガスCB RZ-760
出典:新富士バーナー公式サイト
メーカー | 新富士バーナー |
タイプ | CB缶 |
成分内容 | ブタン(88~92%)・プロパン(8~12%) |
プロパン混合によってハイパワーを実現し、全体的なコストを抑え低価格を可能にした、新富士バーナーのパワーガス3本セットです。
薪や炭への着火、炙り調理などにも使えるので、寒い冬のシーズンだけではなくオールシーズンでのキャンプでも活躍できます。
氷点下でも安定感のある火力
低価格なので予備でも使える
プリムス ハイパワーガス(小)
出典:プリムス公式サイト
メーカー | プリムス |
タイプ | OD缶 |
成分内容 | ブタン(75%)・プロパン(25%) |
プロパン25%と高火力ながらも、オールシーズンに対応したOD缶です。
軽量コンパクトサイズなので持ち運びもしやすく、ソロキャンプからファミリー・グループなどの複数人キャンプまでおすすめです。
コンパクト・ハイパワーなので予備にもおすすめ
品質にも安心できるブランド力
MSR イソプロ227
メーカー | MSR |
タイプ | OD缶 |
成分内容 | イソブタン(80%)・プロパン(20%) |
イソブタンとプロパンを合成したハイパワーOD缶です。
高い火力と安定感を誇り、寒冷化でも十分なパワーを発揮するので、冬のソロキャンプでも即効性のある暖を効率良くとることができます。
冬以外に使うのがもったいなく思える火力
スペックだけでなくデザインも良い
まとめ
ここでは、キャンプで使われるガス缶の種類や合成などの解説、CB缶・OD缶それぞれのおすすめ品をいくつか紹介しました。
CB缶・OD缶それぞれ共に成分比率によって火力の安定度は異なりますが、理解することによって時期に応じて上手く使い分けすることもできます。
キャンプを行う頻度や時期、またスタイルに応じて、自分に一番合ったガス缶を選ぶように心がけましょう。