ひなもりオートキャンプ場は、日本オートキャンプ協会が公認した九州で唯一の四つ星キャンプ場になります。
そんな、ひなもりオートキャンプ場に今年の6月に新設された「ひなたキャビン」。
長く頑張ってくれていたトレーラーハウスを撤去した後に、個性的でスタイリッシュな4つのキャビンが登場したのです。
早速、「ひなたキャビン」の宿泊体験をレビューいたしますね。
当記事のコンテンツ
ひなもりオートキャンプ場の紹介
ひなもりオートキャンプ場は、宮崎県小林市の霧島屋久国立公園内にあるひなもり台の標高700mに位置するキャンプ場です。
山道をグングン上がると、いきなり開けた先にキャンプ場の管理棟や、その奥には先にチェックインしたキャンパーさんのテントがチラホラと見え、否が応でも気持ちが盛り上がってしまいます。
高台から眺める霧島連山や圧倒されそうな星空を、ぜひ体験しませんか。
住所 | 宮崎県小林市細野字山中之前5739-14 |
IN/OUT | テントサイト:14~17時/8時半~13時
キャビン・ひなたキャビン:14~17時/8時半~11時 |
料金 | テントサイト:1400円~
キャビン・ひなたキャビン:6900円~ 2回目宿泊から利用できる割引カードあり(年度末まで有効) |
支払い方法 | 当日に窓口で現金払い |
予約方法 | ネット予約 |
HP | ひなもりオートキャンプ場 |
「ひなたキャビン」とは
ひなもりオートキャンプ場に新設された「ひなたキャビン」は、様々な設計事務所や工務店が関わったことで4つのキャビンそれぞれに個性があり、キャンプ場内の木々や空などの大自然と一体になれるキャビンとなっています。
また、4つのキャビン全てに宮崎県産材をふんだんに使用したことで、木の香りと温かな雰囲気が感じられ「ひなた」と命名されたネーミングにもピッタリです。
画一化されたキャビンが多い中で、「ひなたキャビン」は4つの個性的なキャビンから選択できる楽しみもあり予約の時点からワクワクしてしまいそうですよね。
忙しない日常から離れてキャビンの前に立った瞬間に、みなさんの身も心も癒されるでしょう。
「ひなたキャビン3」の特徴
筆者が宿泊体験してきたのは、「ひなたキャビン3」になります。
大きくて鋭角な三角屋根が特徴的でアウトドア感があり、4つの中でも思わず注目してしまうキャビンですよね。
屋根のカラーも落ち着いたブラックトーンで、ひなもりオートキャンプ場内の美しく管理された芝や青空とのコントラストまで計算されたかのようです。
かなりスタイリッシュな「ひなたキャビン」なので、これまでのキャビンとは一線を画すオシャレなキャンプが出来るでしょう。
室内は宮崎県産材を惜しみなく使用しており、温かい雰囲気が漂います。
リビングの天井が高く解放感も抜群です。
また、回遊性もあるので、小さなお子様達のテンションも上がりグルグル走り回る姿が目に浮かびますよね。
他のキャビンには見られない「ひなたキャビン3」にしかない個性を放っているのが、シャワー室でしょう。
キャビンの室内設備としては珍しいタイプですよね。
しかし、「ガラス張りだし、どうやって使うの?」と気になる所でもあります。
キャンプのワクワク感とも相まって、なにか楽しい仕掛けがあるような無いような・・・!
「ひなたキャビン3」の良かった点
スタイリッシュで木の香りに癒される
これは、「ひなたキャビン3」に限らず4つのキャビン全てに言えることでしょう。
室内に入った瞬間に柔らかい木の香りが漂ってくるので、その時点で癒されます。
キャンプの楽しさは様々な五感で感じるものだと思いますが、キャビンに入った瞬間に嗅覚で感じられるって贅沢ですよね。
「ひなたキャビン3」で過ごしていると、見ても触っても木を感じられるので、室内にいながらも自然と触れ合っているような穏やかな気持ちになれました。
非日常を味わうために訪れたキャンパーに寄り添ってくれる、暖かい雰囲気が感じられます。
注意点として、水回り周辺はどうしても周囲の壁や床に水が飛びやすいです。
気が付いた時に飛んだ水を拭いてあげると木の劣化を防ぐ事にもなるので、キャビンを長く使用していける事にも繋がります。
地球環境を考えたSDGSも盛んになっているので、そのような心得まであるとキャンパーとしてレベルアップ出来るのではないでしょうか。
デッキによる外部との一体感
「ひなたキャビン3」には、北と南にデッキが設置されています。
北側デッキは、キャンプ場に向けて広くて開放的な作りです。
リビングのソファに座れば部屋とデッキが繋がり、その奥のキャンプ場の景色まで取り込んだ大空間を感じる事が出来るでしょう。
小さなお子様を遊ばせながら、その様子をリビングから眺めたりBBQや焚き火なども行えます。
ただし、「ひなたキャビン」が並ぶ前は場内道路になっている事や、新設された「ひなたキャビン」に興味がある他のキャンパーさんの視線を感じることがあるかもしれません。
しかし、キャンプに来たのならそんな状況も含め楽しみたいですよね。
それでも視線が気になるという方であれば、反対側の南側デッキはいかがでしょう。
南側には目の前に森林があり、その森林の隙間から他のコテージが見える環境です。
緑を感じながらプライベート感たっぷりなデッキになっています。
北側デッキに比べると小さいデッキですが、デッキ前の芝生にもテーブルやチェアを置けるので、抵抗なく活用できるでしょう。
ひなもりオートキャンプ場の時間を静かに楽しみたい方には、オススメです。
荷物置きがありスッキリ過ごせる
キャンプ中に「あれ、どこいった?」「あれ、どこ入れてたっけ?」と、物を探す時間ってありませんか。
キャンプ中に何となくエリアを決めて物を置いてるのですが、家族などが何かを取り出すとグチャグチャになり、結局は毎回何かを探しているって事があります。
しかし、「ひなたキャビン3」なら、そんなストレスから解消されます。
東西に設けられた棚が、とても便利で活用できるからです。
西側棚には布団やシーツなどが入っていたり、東側のキッチン側にはケトルや炊飯用具のセットがクリアケースに入って置いてあります。
そんな棚の上に出来た荷物置き。
家族の着替えが入ったバッグを並べたり、充電中のスマホなどの機器をまとめて置いたりとスッキリと使用できました。
間接照明もあるので、置いてるだけなのにオシャレに見えます。
探し物をしている時って、時にはキャンプの雰囲気を悪くしたりする事もありますよね。
探す時間を省いてキャンプを楽しむ時間を長く取れることにも繋がるので、とても重宝しました。
さらに、この棚の並びにはハンガー掛けまであり動線も完璧でした。
お陰で、スマホでちょっと早いクリスマスジャズミュージックを流しながら素敵な夜の時間を楽しむ事が出来ましたよ。
何かと便利な小さい棚
キャビンなので、キッチン周りも最低限の設備と広さになっています。
実際の画像手前には食器乾燥機があるので、持参した物を置くスペースは限られています。
自宅のように思いっきり食材などを並べることが出来ないのは分かっていたのですが、ふと目の前の窓を見ると・・・見つけました!
この窓際の小さな棚です。
ここ、めちゃくちゃ使える棚でした。
調味料や次の調理に使う食材をチョイ置きできる棚は、コンパクトなキッチンだからこそ助手並みの活躍をしてくれましたよ。
夕食の片付けが終わった後は、翌朝の常温食材などを置いてみました。
家族にも分かりやすいので子供のお手伝いもスムーズで、起床後にバタバタする事がなかったのは良かったです。
この「ひなたキャビン3」の棚、そういう狙いで作られたものではないような気もしますが、かなり優秀でしたよ。
回遊性がありワクワクする!
「ひなたキャビン3」に入室する前から子供と一緒に歓声をあげていたんですが、入室して回遊性があると知って、荷物を置きっぱなしで家族でグルグル回ってしまいました。
廊下は狭いですが回遊性がある作りなので、あえて回ったり横切ったりしてどんなアプローチをしても目的エリアへ辿り着けます。
そして、動きが長い分だけ、室内空間を広く感じる事ができるのは設計マジックのお陰なのかもしれません。
大人でもテンションが上がるので、お子さん達のテンションは確実に爆上げでしょう。
そうして夜になれば、興奮で疲れたお子様達はロフトで早々と眠りにつくはずです。
その後に待っている大人のキャンプタイムを満喫するためにも、入室後にお子様達の興奮が治まらないことは承知の上で予約をしてくださいね。
「ひなたキャビン3」の気になった点
残念なシャワー室
「ひなたキャビン3」のシャワー室、色々な面でかなり気になりますよね。
「シャワー室がガラス張りな上に目の前にもガラス窓があるんだけど、覗かれないの?」
「どうやってお湯出るの?」
「シャワーだけ?お湯は溜められるの?」など・・・。
まず、シャワー室の目の前のガラス窓に関しては、ロールスクリーンを降ろせば外部からの視線はシャットアウトできるのでご安心ください。
脱衣棚は便利ですが、椅子は使えないと言うか使おうと思わない狭さでした。
シャワー室のガラス張りも、両脇にあるスライドドアが窓の方まで稼働するので、シャワー室と脱衣エリアを含めて個室みたいな感じなりました。
しかし、完全に隙間を塞ぐことはできないので隙間からシャワー室内が見えてしまいます。
一家族での利用時は良いと思いますが、友人や仲間同士で宿泊した時にはお互いに気を遣ってしまうかもしれません。
湯気とシャワーカーテンでボンヤリとはしますが、視線のシャットダウン効果はないという認識をしていた方が良いでしょう。
当初はお湯を溜められる予定でしたが、宿泊が始まってしばらくすると「シャワーのみ」になり、お湯を溜める事はできなくなったようです。
また、シャワー室内には明らかな後付けのシャワーカーテンもあるので、シャワー時の水漏れなどがあったのかもしれません。
シャワーのボタンは分かりやすいです。
逆に、間違ってもお湯を溜めないように赤いテープで注意書きまであるので、操作するボタンはシャワーボタン1つしかありません。
この「ひなたキャビン3」のシャワー室、宿泊した筆者の家族からは酷評でした。
シャワー室は湯気の効果で何とか裸で大丈夫ですが、暖かいとは言えません。
暖かくないので早く出るために洗うことを急ぎますが、主人は窮屈だったようです。
そして、シャワー室のスライドドアを開けた瞬間に目の前の窓からの冷気に襲われるのです。
シャワー室を体験した筆者も「冬はキツイ・・・」という印象です。
冬キャンプでお子様連れの方にはオススメ出来ません。
キャンプで不便なのが当たり前と言う感覚でいても、キャビンに宿泊する目的で来たキャンパーさんにとっては、このシャワー室より普通のユニットバスの方が喜ばれるのでは、と感じました。
夏であれば問題はないと思うのですが、冬はやはり温まりたいですよね。
吹き抜けが高い分だけ冬は寒い
高さがある三角屋根の室内は、北側に吹き抜けのリビングがあります。
オープンな空間に大きな窓まであるので解放感抜群なのですが、エアコンの暖房を付けても暖かい空気は上部へ行くので、人が過ごしている空間は暖まりにくい間取りです。
吹き抜けのある家で過ごした事があるなら、体感されて御存知の方もいらっしゃるでしょう。
さらに、エアコン設置場所も奥行があるため非効率で上手く活用できていない印象です。
ホットカーペットとヒーターが準備されていたので、寒がりの方はエアコンと併用して使用した方が良いでしょう。
キャンプなので不便さは付きものですが、キャビンなどに宿泊する方はそれなりの設備を求めていらっしゃると思うので評価が分かれるかもしれません。
ロフトの冷気がリビングに降りてくる
「ひなたキャビン3」には、こじんまりとした雰囲気のロフトがあります。
ボーっとしたり本を読んだりするのに素敵な空間です。
特に、南側の大きな窓からは森が見え外部からの視線も全く気にならないので、ロフトと森が一体化したような雰囲気です。
そんなステキな空間のロフトにいる時は良いのですが、リビングにいるとロフトの落下防止バーの隙間から冷気が降りてきて、周期的に冷気を感じました。
冷気が降りてくる真下がリビングなので、リビングで過ごす以上避けられない状況でした。
初めは「どこか窓を開けっぱなしにしているかな?」と思ったくらい。
吹き抜けの間取りは暖房効率も悪く人が過ごすエリアが暖まらない上に、冷気が降りてくるので、エアコンの暖房をいくら効かせてもロフトからの冷気を遮断しないと悪循環のような気がします。
ここは、降りてくる冷気をシャットダウンする対応をしてもらえれば、この問題はかなり改善されるのではないかな、と感じました。
階段が急すぎる
誰が見ても、急ですよね。
設計段階で、ある程度の広さが決まっていて、その中で設計しなければいけなかったのであれば苦肉の策かもしれません。
しかし、階段が急であると同時に空間が狭い事の方が大変でした。
階段昇降時に後ろの壁に背中が付くので、そこに設置してあるスイッチを必ず背中で押してしまうという現象がありました。
特に体格の良い男性は、上がり下がりがキツイかもしれません。
やせ型の筆者もストレスを感じ、ロフトに行きたい気持ちがありながら気が進みませんでした。
また、どうしても小さなお子様は階段などが好きで上ろうとします。
「ひなたキャビン3」に宿泊する場合には、お子様から目を離さないように気を付けられた方が良いでしょう。
リビングのテーブルが狭い
屋外で食事をする前提であれば問題はないでしょう。
しかし、お子様連れの冬キャンプで室内で食事を取りたい場合や大勢でワイワイするには手狭なので、自分達でテーブルを持ち込む必要があるでしょう。
わが家は、持参していたサイドテーブルを活用しました。
木の温もりがある空間なので、日常的なテーブルではなく人数によって大きさが調整できるキャンプ用テーブルなら良かったのに、と感じました。
個人的には、ソファーのオレンジ色も気になるかな?!
ひなもりオートキャンプ場の「ひなたキャビン」で自然と一体化しよう!
ひなもりオートキャンプ場に新設された「ひなたキャビン」のご紹介でした。
キャンプには、不便さをいかに楽しむかというポジティブさも重要です。
キャビンに求めるものは、みなさん様々だと思いますが、この「ひなたキャビン」のスタイリッシュな佇まいと木の香りを感じた瞬間に日々の疲れがスーッと抜けていくことでしょう。