満天の星空の下、焚き火で暖をとりながらお酒を飲む-。
冬のキャンプは非日常の時間を味わえる絶好のシチュエーションです。
とはいえ夜は寒さが厳しいのも事実。
ギアがまだ充実していないキャンプ初心者や小さな子どもがいるファミリーキャンパーは、特に億劫になってしまうのではないでしょうか。
そこで、寒い冬の夜でも「極暖快眠」できる丸秘テクニック、お教えしましょう!
当記事のコンテンツ
地面からの冷え込みを防ぐ「4つの対策」
昨今、アウトドアウェアの保温性は非常に高くなっています。
ある程度の低い気温や冷たい風は、アウトドアウェアで対応できるでしょう。
最も寒いと感じるのは眠る時。
これは地面からの冷え込み、放射冷却によるものです。
放射冷却は溜まった熱が放射で奪われ、地面の温度が下がる現象。
特に冬は、もともと地面の温度が低いにも関わらず更に温度が下がるので、寒さは顕著になります。
睡眠時、体は地面に接近します。
これにより、体全体が冷えてしまうのです。
ダンボール1枚でも冷気をしっかりガード!
地面からの冷え込み対策には、体と地面の間を空けることです。
テントにはグランドシートが付属されており、直接地面に寝転がるケースは少ないと思います。
しかし、多くのグランドシートは放射冷却対策に適した素材ではないので、地面からの冷え込みをガードできません。
手軽にできるのは、ダンボールやブルーシートをグランドシートの下に滑り込ませておくこと。
特に断熱性に優れるダンボールは、冷気をしっかりガードしてくれます。
エアマットで暖かさ&寝心地向上
暖かさと寝心地の両方を兼ね備えているのがアウトドア用エアマットです。
バルブ式自動膨張のエアマットであれば、テント内であっという間にベッドが完成します。
購入する際の注意点は厚みとサイズ。
膨らませた際、エアマットに厚みがあるほど地面と離れるので、寒さを感じにくくなります。
また、テントに収まるサイズかどうかを事前にチェックしましょう。
実は冬のハンモックって暖かい
通気性の良いハンモックは夏に大活躍する印象ですが、実は冬の寒さ対策にもなります。
宙に浮くハンモックは地面と十分な距離が保てます。
更に、ハンモックの下部を覆うアンダーブランケットを装着することで、より保温性を高めることが可能です。
ハンモックを外に設営して眠るなら、シュラフを体に密着させることが重要。
フードを絞って鼻と口だけ出して眠るスタイルです。
大きめのテントを持っている人であれば、ハンモックスタンドと共にテント内で設営してしまうのもありです。
コットを使用して冷たい地面から距離を取る
キャンプの快眠ギアとして、コットは定番です。
冬の寒い時期におけるコットは、冷えた地面から距離を離して睡眠できるため収納に余裕があれば積極的に使用したいキャンプギアです。
ほとんどのコットはテントに収まるよう設計されているので、1つあると安心でしょう。
しかし、値段は5,000円以下のものから30,000円以上まで様々。
選ぶポイントは足の高さ、サイズ、収納、重量です。
WAQの「2WAYフォールディングコット」は、高さを2段階に調節できます。
テント、シェルター問わずどこでも設営できるのが魅力。
ベッドシートはナイロン製で、寝心地も追求しています。
コスパを考えるならDODの「ワイドキャンピングベッド」。
10,000円以下という金額が嬉しいですね。
専用キャリーバッグ付属で持ち運びもラクラク。
有名ブランドが提供しているという安心感もあります。
軽量で人気のHelinox。
チェアと並んでコットも定番かつ憧れのギアと言えるでしょう。
「ライトコット」の重量はなんと1.2kg。
収納時も片手で持ち運べるコンパクトさを実現させています。
失敗しないシュラフの選び方とノウハウ
さて、地面からの冷え込みに対策した後、重要となってくるのはやはりシュラフ(寝袋)です。
シュラフは大きく分けて長方形の「封筒型」、足先に向かって細くなる「マミー型」、着込むことができる「人型」の3種類があります。
「封筒型」は圧迫感がなく、ゆったり眠れるのが特徴。
連結可能なものが多く、複数を買い揃えているキャンパーもいます。
「マミー型」は体に沿って密着するので、保温性に優れたシュラフ。動きが制限されますが、その分体温による温まりが早くなります。
「人型」は保温性と移動性を兼ね備えています。トイレなど、着たまま自由に動けるのが利点。高額なのがネックです。
限界使用温度と快適使用温度をチェック!
シュラフを購入する際にチェックすべきは「限界使用温度」と「快適使用温度」です。
例えば限界使用温度-5℃、快適使用温度0℃のシュラフは、「0℃までは快適に眠ることができ、-5℃までなら工夫次第で眠ることが可能」という意味です。
つまり、限界使用温度が低ければ、寒さに強いシュラフと言えます。
一方、メーカーによって温度帯の計算が異なり、快適の定義も人それぞれです。
あくまで目安ですが、把握しておくと良いでしょう。
極暖カイロでシュラフがコタツに!
冬キャンプのシュラフテクニックとして、カイロが使えます。
貼るタイプで通常より暖かくなるカイロがおすすめ。
就寝約30分前にシュラフの内側にカイロを貼ります。
足先が冷える人はそこを重点的に、複数のカイロを貼りましょう。
例えば足先に2枚、太ももに1枚ずつ、裏付近に1枚ずつ、背中とお腹に1枚ずつ。
計8枚のカイロを貼れば、シュラフ内は劇的に温まり、コタツで眠るような感覚になります。
フランネルのブランケットをインナーシュラフに活用!
柔らかいフランネル素材も、シュラフと相性抜群です。
フランネルのブランケットをシュラフの中で体に巻きつけて、冷気をシャットダウンします。
手触りが良くすぐに温まる快眠グッズで、首元に巻くなど隙間を埋めるのにもぴったり。100円ショップなどで売っているものでも十分活躍します。
テントの室温を上げよう!
最後にテントの室温を上げましょう。
まずは冷気の侵入を防ぐこと。
スカートが付いているテントであれば、しっかりペグダウンして対策。
コンテナボックスなどをテント内に入れて、寝る場所を囲むのも効果的です。
また、沸騰させたお湯をペットボトルなどの容器に入れて持ち込むだけでも、熱がこもり室温が上昇します。
冬の夜こそキャンプの真髄
出典:photoAC
夜の冷え込みを想像して、冬キャンプを敬遠する人も少なくないでしょう。
ところが、冬のキャンプはハイシーズンとはひと味違った魅力があります。
空気が澄んでおり、景色や夜空は抜群にキレイです。また、ハイシーズンに比べて人が少ないのもメリット。
夜の焚き火と暖かいキャンプ飯にこそ、キャンプの真髄が詰まっています。
寒い夜を暖かく過ごすテクニックを駆使して、極上の冬キャンプを味わってみてください!