「今シーズンこそは、キャンプデビュー!」と考えている方が多いと思いますが、ギアのセレクトに頭がパンクしそうな初心者キャンパーさんが多いのではないでしょうか。
そこで今回は、シュラフの購入ポイントと初心者さんにおすすめのシュラフをご紹介します。
キャンプ未経験であれば実物を見たことも触ったこともない方が多いと思いますが、ポイントを押さえれば購入するハードルは低くなりますのでご安心くださいね。
シュラフとは?
聞き慣れない「シュラフ」って・・・寝袋のこと?
はい、「シュラフ」も「寝袋」も言い方が違うだけです。
シュラフを英語だと勘違いしている方がキャンパーさんの中でも多いのですが、英語では「Sleeping Bag」(スリーピングバッグ)と言います。
シュラフとは、実はドイツ語なのです。
「シュラフザック」(Schlafsack)が名前の由来で、略して「シュラフ」と呼ばれています。
どちらで言えば良いかは、みなさん次第です。
カッコ良く言えば「シュラフ」でしょうか。
イケメンやベテランキャンパーさんが寝袋と言えばカッコ良く聞こえる程度で、シュラフでも寝袋でも通じます。
シュラフを選ぶときの2つの基準
どんな季節や場面で使用するのかを明確にしよう
シュラフ購入を意識した時点で、どのようなキャンプ場面や季節を想像されていますか。
初心者の方で、いきなりハードルの高い高山キャンプや積雪キャンプをされる方を除き、高性能なシュラフを選択する必要はありません。
初心者の方であれば過ごしやすい時期にキャンプデビューをされる方がほとんどだと思います。
最近のブームで車中泊から始める方もいらっしゃるでしょう。
それなら、雨風がしのげて過ごしやすい時期のキャンプに適したシュラフになるので、そこまで性能にこだわる必要はありません。
選択肢が多く選ぶ楽しみもありますよ。
シュラフには快適使用温度と限界使用温度があります
2つの使用温度
快適使用温度…寒さを感じることなく睡眠ができるといわれる温度域
限界使用温度…表記されている温度以下だと危険だという温度域
シュラフを選ぶ際には、快適使用温度を確認しましょう。
限界使用温度は寒さに耐えて過ごすラインなので、初心者の方であれば参考程度で大丈夫です。
ブランドによっては、温度表記しかない場合や名称が違う場合もあります。
シュラフは滅多に買い替えるものではないので、初心者だけでなくキャンプに慣れた方でも購入時に戸惑うことが多いです。
まず、温度表記しかない場合には、限界使用温度だと認識しましょう。
そして、限界使用温度だとすれば、それに+8℃以上したものが寒さを感じることなく快適に過ごせる温度だといわれているので覚えておきましょうね。
それでも不明な点がある場合には、店頭でショップ店員さんに尋ねてみるのが確実です。
シュラフは季節によって使い分けるのが鉄板
冬キャンプにおけるシュラフの選び方
初心者のみなさんがシュラフ購入を検討されている中で最も気になっているのが、冬キャンプではないでしょうか。
冬キャンプの経験もないので「寒さが厳しくて凍えてしまったらどうしよう!」と言う不安もあると思います。
冬キャンプで使用するシュラフは、マミー型と言われる形のシュラフが一般的でしょう。
体がスッポリ入り顔だけ出てるタイプのシュラフです。
マミー型シュラフは素材がダウンであることが多く、FP(フィルパワー)という羽毛のかさ高性を表す単位の値が高いので保温性に優れています。
どのような環境の冬キャンプをするのかで選択肢が変わってくるので、表示された快適使用温度の確認は必須ですね。
それでも慣れないキャンプ初心者のうちは、シュラフ以外でも工夫する事をおすすめします。
電源サイトであればホットカーペットや電気毛布を持ち込んだり、アナログなところで言うと湯たんぽなども意外と愛用者が多いのです。
また、冬キャンプと言っても積雪の中でなければいけない訳ではありません。
極寒の環境を避け、あえて標高の低いキャンプ場でホットカーペットなどを使用すればマミー型以外のシュラフの選択肢もあります。
初心者キャンパーさんにとっては、こちらの方が現実的かもしれませんね。
さらに、今は保温性の高いインナーやジャケットなどアパレル関係が充実しているので、思ったほど不安に思うことも少ないかもしれません。
初めから積極的に冬キャンプを楽しみたいと思っている初心者の方より、冬キャンプは少しハードルが高いと感じている方の方が多いと思うので、まずは過ごしやすい時期のキャンプに慣れた後でじっくり考えてみるのも良いかもしれませんね。
夏キャンプにおけるシュラフの選び方
ここ数年の温暖化の加速もあり、夏キャンプは暑さ対策が必須です。
よって、標高の高い夏山キャンプをしない限り、ダウンではなく化学繊維のシュラフがおすすめです。
限界使用温度で言えば10℃以上のシュラフをおすすめしますが、標高の高いエリアでキャンプする場合だけは少し暖かめのシュラフを選ぶのが一般的です。
ただし、初めから冬キャンプ用と夏キャンプ用を別々に購入する必要はありません。
先にも述べたように、夏キャンプでは暑さ対策が必須なので、まずは自宅にあるタオルケットなどを持参してみるのも良いでしょう。
「こういう感じなんだ。」と、雰囲気や感覚的なものを感じてからの購入検討でも遅くはないと思います。
平地での夏キャンプであればシュラフは必要ないといっても良いです。
シュラフの型は3種類ある!
封筒型シュラフ
封筒型は、まさに封筒の形をした布団に近いタイプのシュラフになります。
化繊素材のものが多く安価で購入しやすく、封筒型シュラフ利用者の割合も多いです。
寒さ厳しい環境は避け平地に近いキャンプ場や春~秋キャンプが主であれば、充分に役割を果たしてくれるでしょう。
商品によっては保温性の高い封筒型シュラフもありますが、形状的に肩周辺が開いてるので真冬のキャンプや標高の高い山には向きません。
また、化繊であればコインランドリーなどの大型洗濯機で洗えるメリットもあり、購入後もメンテナンスが楽なのが特徴です。
逆に、封筒型ゆえに小さなお子さんなどはシュラフから飛び出してしまうこともあります。
コスパが良くてメンテナンスも楽な半面、収納性がなかったり寒かったなどのデメリットもあるので自分のキャンプスタイルと照らし合わせると良いでしょう。
マミー型シュラフ
シュラフと言えば、みなさんが想像するのはこの形でしょう。
ほとんどのマミー型にはダウンが使用されており、封筒型に比べるとスッポリと包まれるような形になるので身体への密着度が高くなり保温性に優れています。
よって、寒い時期のシュラフには最適なのです。
また、ダウン素材を使用したシュラフは収納時のコンパクト性に優れているのでコンパクトに持ち運びができて便利です。
数泊する冬山キャンプや積載がかさばる冬キャンプでなどに向いていますね。
マミー型の保温性やコンパクトになるなどの機能性の口コミは良いですが、スッポリ包まれるので窮屈さを感じる方もいるようです。
ラップ型シュラフ
封筒型とマミー型の良いとこ取りをしたようなシュラフになります。
マミー型と比べて、肩口が広くて封筒型のような入りやすさがある形状です。
ある程度の保温性を誇りながら安価で手に入れることができます。
初心者におすすめしたいシェラフ
Coleman マルチレイヤースリーピングバッグ
3つのレイヤーを全て組み合わせたり分割しても使える4シーズン対応モデルのマルチレイヤースリーピングバッグ。
初心者キャンパーさんで、取り合えずオールシーズン使えるシュラフが欲しいと考えている方におすすめです。
コールマン製品は、比較的どの地域でも実際の商品を見に行ける環境が整っているので、実際の商品を見て触って購入できるのが良いところですよ。
暖かい春~夏にかけては、ミッドレイヤーとフリースを合わせて使用します。
夏であれば、薄いフリースのみでイケるかもしれません。
晩秋~冬にかけては、 アウトレイヤー+ミッドレイヤー+フリースの3つを重ねれば暖かく入眠することができるでしょう。
封筒型でゆったりサイズなので抜群の寝心地を得られると思いますよ。
快適温度 | アウトレイヤー+ミッドレイヤー+フリース -5℃
アウトレイヤー+フリース 5℃ ミッドレイヤー+フリース 12℃ |
使用時サイズ | 約 90×200cm |
収納時サイズ | 約52×29×38cm |
重量 | 4.9kg |
材質 | 表地/ポリエステル 裏地/ポリエステル 中綿/ポリエステル |
付属品 | 収納ケース |
・真冬のふもっとぱら(氷点下10度くらい)でも、湯たんぽをプラスして寒さを感じず寝られた。
・大きくてかさばる。
・北海道では春〜初冬くらいなら使用できそうだが真冬は無理だと思う。
Coleman コンパクトコルネット/L0
コンパクトコルネット/L0 は、手足が出せるマミー型のシュラフで着たまま移動できるというユニークなシュラフです。
使用下限温度は 0℃以上なので、思ったより冷えた秋キャンプの夜や朝方などに着たままで食事を取ることも出来ます。
シュラフのデザイン性としては、マットな茶系のカラーが落ち着いた雰囲気なのでアウトドアにも馴染みますよね。
これでサイト内を頻繁にウロウロするというよりは、自分のサイト内でマッタリ過ごすのに良さそうです。
また、収納サイズがコンパクトであり、初心者キャンパーさんでも抵抗なく購入できる価格です。
開閉が簡単なセンタージッパーなので着脱もストレスがないでしょう。
使用下限温度 | 0℃以上 |
使用サイズ | 約198×75cm |
収納時サイズ | 約φ20×35cm |
重量 | 約1.4kg |
材質 | 表面/ポリエステル 裏地/ポリエステル 中綿/ポリエステル |
付属品 | 収納ケース |
・保温性は問題無く3シーズンで使える。
・女性や比較的体格が小さい男性なら問題無いが、体格が大きい人(肩幅が広い人や身長180以上の人)には厳しいかな。
モンベル ファミリーバッグ #1
ファミリーバッグ #1は、キャンプや車中泊などさまざまな用途で使用できる封筒型のシュラフになります。
真冬の極寒時のキャンプは難しいですが、他の暖房装備を備えた無理をしない冬キャンプであれば4シーズン使用可能なモデルです。
ファミリーバッグ #1に使用されているホローファイバーは、速乾性に優れており濡れてもすぐに保温力を回復する機能があります。
さらに、2つ購入すれば接続可能なので小さなお子さんがいる方には便利ですね。
季節やメンテナンスに振り回されない使い方が可能で、初心者キャンパーさんでも手が届く価格帯も嬉しいポイントです。
モンベルのECサイトにはシュラフの使用目的に応じた購入目安表があります。
こちらの表を参考に選んでみてくださいね。
素材 | 表地:75デニール・ポリエステル・タフタ[はっ水加工]
裏地:75デニール・ポリエステル・タフタ 中綿:ホローファイバー |
重量 | 1,560g(1,690g) ※( )内はスタッフバッグを含む総重量 |
カラー | オレンジ |
サイズ | 最大長190×最大幅75cm |
収納サイス | 45×28×28cm(35.3L) |
快適睡眠温度域 | -1℃~ |
付属品 | スタッフバッグ |
・6歳8歳と母親ですが連結で愛用中です。もう一年くらいいける広さの余裕があります。真冬なら中に毛布をプラスするくらいで大丈夫だと思います。
・収納サイズが大きいのが欠点です。積載時に悩みます。
モンベル ダウンハガー650 #3
ダウンハガー650 #3は、モンベル独自のスーパースパイラルストレッチ™ システムを採用した「伸びる寝袋」です。
生地の繊維方向を斜め(バイアス状)に配置した上に、ステッチ部分に糸ゴムを使用することで抜群のストレッチ性を実現したモンベル独自のシステムとなっています。
窮屈間のない心地良いフィット感を実現したことで、就寝中の無意識な体の動きを妨げません。
ダウンハガー650 #3に潜り込めば、これまでにない寝心地のよさを得られると同時にシュラフ内で空気が自由に行き来するすき間をほとんど残さないため高い保温効率を保ってくれるのです。
汎用性に優れ、夏の高山から冬の低山キャンプまで一年を通して使用できるシュラフでしょう。
素材 | 表地:30デニール・スーパーマルチ・ポリエステル・タフタ[はっ水加工]
裏地:30デニール・スーパーマルチ・ポリエステル・タフタ |
重量 | 695g(720g) ( )内はスタッフバッグを含む総重量 |
カラー | ブルーグリーン |
収納サイズ | ∅15×30cm(4.7L) |
快適温度 | 3℃ |
使用可能温度 | -2℃ |
適応身長 | 183cmまで |
機能 | ジッパースライダーには生地の噛み込みを軽減するパーツを取り付け |
付属品 | ストリージバッグ |
・びっくりするくらい軽くてコンパクト
・コンパクト、軽い、ちょうどいい温かさ、最高です。妥協して安いものを買わなくて良かったです。
・値段が高過ぎ
NANGA レクタンギュラー パディング バッグ
羽毛の街・滋賀税米原市で創業した寝袋メーカーのNANGA(ナンガ)。
キャンパーの間では、NANGAのシュラフは「上がるギア」として憧れのブランドであり、他の追随を許さない安心の国産ブランドとして人気です。
そんなNANGAから、取り合えず春夏キャンプから始めたいと考えている初心者キャンパーさんにおすすめのモデルが、「レクタンギュラー パディング バッグ」になります。
速乾性のある化繊綿を使用したカジュアルな封筒型ですが、L字ファスナーを開いて掛け布団にしたり、寒い時期にはスリーピングバッグの中に入れることも可能です。
付属の収納袋に収めるとクッションとして活用できたり、キャンプに限らず自宅などでも気軽に使える多機能でオールシーズン使用可能な化繊シュラフとなっています。
素材 | 生地:20Dナイロンタフタ 中綿:ポリエステル |
中綿量 | 800g |
サイズ | 最大長210×最大肩幅98㎝ |
カラー | BLK×KHA(ブラック×カーキ)、PUR×BLK(パープル×ブラック)、YEL×GRY(イエロー×グレー) |
収納サイズ | 46×40×17cm |
総重量 | 約1380g |
・憧れのNANGAというだけでテンションが上がる!
・晩秋のキャンプで他の暖房器具の併用ではありましたが問題なく使えました。
・予算的に考えると他のブランドでも良いような気もする
NANGA オーロラライト450DX
オーロラライト450DXは、ナンガのフラッグシップモデルになります。
撥水機能のある生地を薄くして新たにチタンスパッタリング材をボックスキルト構造に採用することで、保温効果を高め軽量化に成功しました。
縦走登山のハイカーや積載のストレスを少しでも軽量にしたいというキャンパーから人気があるモデルになります。
また、NANGAが独自に開発した防水透湿素材AURORALIGHTを採用しており、輻射による蓄熱や保温効果を高めるなど高機能なテクノロジーを体感することができますよ。
材質 | 表地:15dn オーロラテックス®
裏地:15dn リップストップナイロン |
内部構造 | 上面:ボックスキルト構造 / 下面:シングルキルト構造フィルパワー
スパニッシュダックダウン90-10% |
ダウン量 | 450g |
サイズ | 記載なし |
カラー | BLK(ブラック)、GRY(グレー)、RED (レッド)、BRW(ブラウン) |
収納サイズ | φ14×30cm |
総重量 | 865g |
快適使用温度/下限温度 | 0℃ / -5℃ |
・入眠時の温かさは格別です。
・携帯性も良いのでハイクでもキャンプでもストレスがない。
・収納時に手間がかかり、やや面倒。
まとめ
キャンプデビューする初心者キャンパーさんに購入しやすくておすすめしたいシュラフと選び方のポイントをご紹介しました。
住んでいる地域やキャンプに行く季節さえ絞り込んでしまえば、あまり難しく考える必要はないですよね。
初心者キャンパーさんにとってシュラフで寝ると言うのは、キャンプ感を味わえる最大の醍醐味であるとも言えます。
ぜひ、お気に入りのシュラフを見つけてキャンプデビューを果たしましょう。