「暖房を用意しなくとも、快適に冬キャンプを楽しみたい」
今回はそんな願いをかなえるために、暖房なしで冬キャンプの寒さを乗り切る方法をお伝えしていきます。
しっかりと準備して行けば、暖房がなくても冬キャンプを楽しむことができますよ。
当記事のコンテンツ
服装はレイヤリング(重ね着)が基本
寒さを乗り切るひとつ目の方法は、適切な服装をすることです。
冬キャンプの服装としての基本的なポイントは、レイヤリング(重ね着)です。
単純に服を重ねればいいというだけでなく、レイヤリングには暖かく過ごすポイントがあります。
適切な素材の服を選んで寒さを乗り切りましょう。
ベースレイヤー(下着)
出典:モンベル
まずは、最も肌に近い部分に着るベースレイヤーです。
ベースレイヤーには、保温性だけでなく吸水性や透湿性も重要なポイント。
キャンプでは、登山ほど汗をかくことはありませんが、設営時や日中の強い日差しなどで予想外に汗をかくことも考えられます。
汗をかくと体温が下がり、汗で濡れた服を着続けるとさらに体が冷えてしまいます。
そのために、保温性だけでなく汗を吸ってそれを吐き出す機能の優れている素材を選ぶといいでしょう。
おすすめの素材は「メリノウール」です。
メリノウールには、優れた保温性と吸水性、透湿性がそろった素材なので、ベースレイヤーとして、非常に適した素材となっています。
ミドルレイヤー(中間着)
出典:LL Bean
ミドルレイヤーは、ベースレイヤーの上に着る服の事です。
ミドルレイヤーの調整をすることで、気温差に対応することができます。
ミドルレイヤーの役割は、空気の層を作り暖かさを増大させること。
そのため、フリースやダウンなどの保温性の高い素材が適しています。
気温によって、枚数や厚さなどで調整するのがおすすめですので、組み合わせやすい商品を複数用意しておくといいでしょう。
アウトレイヤー(上着)
出典:NANGA
アウトレイヤーは、一番外に着るアウターのことです。
ベースレイヤーとミドルレイヤーで得た保温性を、外に逃がさないように蓋をする役割があります。
そのため、アウトレイヤーには防風性のある素材が適しています。
焚き火にあたる時間が長くなる冬キャンプでは、難燃性の素材にすることも大事なポイントです。
しかし、難燃性の素材として代表的なコットンには、防風性があまりないので、防風性と難燃性を兼ね備えた素材のアウトレイヤーを選ぶことをおすすめします。
難燃加工のされていない素材のアウターを着用する場合は、コットンのポンチョなどを別で持って行くのもいいでしょう。
ポイントを抑えて快適な睡眠を確保する
寒さを乗り切るふたつ目の方法は、睡眠時の寒さ対策をすることです。
冬用のシュラフを使用することは大前提ですが、冬用シュラフの効果を最大限発揮できるよう、睡眠時のポイントを抑えておきましょう。
就寝時は着込み過ぎない
出典:unsplash
冬キャンプの睡眠時は、防寒着をたくさん着て寝た方が暖かいように思いますが、実は厚着で寝ると逆に寒さや疲れを感じる原因となることがあります。
シュラフの中は、体から発した熱で暖まった空気を循環させることで、暖かく快適な環境を生み出しています。
そのため、防風性の高い素材などでは衣服の中に熱がこもり、本来のシュラフの役割を果たすことができません。
熱がこもることで、蒸れて汗ばみ、それが冷えにつながることも考えられます。
また、寝返りを打つこともしにくくなるので、身体が痛くなったり疲れを感じてしまうこともあります。
冬のキャンプの快適な睡眠のポイントは、冬用シュラフで薄着で寝ることです。
底冷え対策をする
睡眠時の一番の敵は底冷えです。
ハイスペックな冬用のシュラフを使っていても、底冷え対策を怠れば、快適な睡眠を得ることはできません。
シュラフの下に敷く、スリーピングマットの性能もしっかり確認しましょう。
スリーピングマットの断熱性能には「R値」という基準があります。
各メーカーから販売されているスリーピングマットのR値は0.5~10までが一般的で、数値が高ければ高いほど断熱力(保温力)が高くなります。
出典:LOST ARROW
R値が高いコンパクトなモデルのスリーピングマットは、高価で手の届かない商品が多いのも現実です。
このR値は、単純に足し算をすることができます。
つまりR値2.0のマットとR値3.0のマットを重ねることで、R値5.0のマットが誕生します。
いくつかのマットを組み合わせて使用する方法も効果的です。
他にも、銀マットやコットを活用するなどの底冷え対策も取り入れるとさらに快適です。
湯たんぽでシュラフ内を温める
出典:amazon
睡眠時に寒さを感じやすいのは足元。
足元は、シュラフ内でも空間が余りやすく、寒さを感じることが多い場所です。
足元の寒さ対策としておすすめなのが、湯たんぽの活用です。
シュラフに入る少し前に忍ばせ、シュラフ内を温めておくのもおすすめの使い方です。
ナルゲンボトルなどの耐熱性ボトルにお湯を入れて湯たんぽ代わりにする方法もあります。
どんな方法でも、低温やけどには注意して使用するようにしましょう。
3.焚き火を活用して体の中から温める
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みっつ目は、焚き火と温かい食べ物や飲み物で体の外と中から温める方法です。
暖房器具が無い中で、唯一暖房効果のあるものが「焚き火」です。
大きな火を維持することで、暖かく過ごすことができます。
薪の種類や薪の組み方を工夫して、焚き火を維持するようにしましょう。
焚き火を熱源にし、お湯を沸かしておけばいつでも温かい飲み物を飲むこともできます。
温かいものを口にすると、心もほっと安らぎます。
出典:amazon
保温性の高いマグなどを活用して、温かい飲み物や食べ物で体の中から温めてみましょう。
暖房器具が無くても冬キャンプは楽しめる!
石油ストーブや、薪ストーブなどの暖房器具を持たずとも、寒さ対策のポイントを抑えれば冬キャンプも楽しく過ごすことができます。
寒さを感じることで、温かい食べ物やお風呂のありがたみを最大限に感じられるのも冬キャンプの醍醐味のひとつですね。
キャンプ場の場所選びも大事なポイントです。
標高の高いキャンプ場や寒さの厳しい地域に行く場合は、さらに装備が必要になります。
キャンプ場の天気や気温を目安に、事前にしっかり確認して行きましょう。