ノウハウ

花粉が少ないキャンプ場はどこ?花粉の種類別、キャンプ場の選び方

村路ハジメ

3月頃から始まる春キャンプシーズン。気温も上がってきて、心地よくキャンプができる時期ですよね。

しかし、花粉の辛さを実感する時期でもあるので対策が必須です

服装に気を遣う・薬を服用する等の対策方法がありますが、花粉が少ないキャンプ場を選べばより根本的な解決が図れます。

アレルゲンとなる花粉の種類別に紹介するので、ご自身のアレルギーと照らしながら読むと、より快適にキャンプの時間を過ごすヒントになるでしょう。

「スギ」の花粉症対策となる場所とは

出典:写真AC

北海道・沖縄

林業の発達のために、スギの木は日本全土で植林がされました。林野庁によると、日本の森林面積の内、約20%の面積をスギの人工林が占めているようです。

したがって、スギの木が生えていない地域を探すのはほぼ不可能であるといえます。

しかし日本の中でも北海道と沖縄県は比較的スギの分布が少ない地域です。可能な限りスギが少ない地域でキャンプをしたいと考えている方は、北海道と沖縄県のキャンプ場を探してみてはいかがでしょうか。

標高の高い地域

スギは標高が高くなればなるほど、気温や雨の影響で成長しづらくなります。そのため、標高が高く、寒冷な地域であれば、比較的スギの木が少ない環境でキャンプができるでしょう。

とはいえ、スギの木は標高約2000mの環境でも生育が確認されていることから、スギの木が全くないキャンプ場を探すのは困難です。

そのため、現実的には標高1000mほどのキャンプ場が候補に挙がります。例えば、

・山梨県の清里高原

・長野県の軽井沢

・群馬県の嬬恋

・宮城県の蔵王

などの地域が挙げられます。いずれもウィンタースポーツの名所として有名な地域なので、スキー場が近くにあるキャンプ場を探すとよいでしょう。

都市部は避ける

車の通行が多い場所や、工場が隣接している場所のような都市部を避けてキャンプ場を探すことも花粉症対策になります。

都市部の空気には、自動車や工場の排気ガスやPM2.5等の大気汚染物質が多く含まれます。大気汚染物質は花粉と結びつくことで、アレルギー反応を増進させることが分かっています。

都市部は森林が少ないのに、花粉症患者の割合が多いのは大気汚染物質が関連しているのです。

「ヒノキ」の花粉症対策になる場所とは

出典:写真AC

北海道・沖縄

北海道・沖縄県はヒノキがほとんど見られない地域です。令和5年の環境庁の調査においても、ヒノキ花粉の飛散量は数値化されないほど少ないと報告されています。

出典:「令和5年春のスギ・ヒノキ花粉の実測総飛散数」(環境省)
(https://www.env.go.jp/content/000184014.pdf)(令和5年3月4日に利用)
資料の内、北海道・東北地方の記録のみを抜粋しています。

ヒノキ花粉の影響が全くない地域でキャンプをしたい方は、北海道・沖縄県のキャンプ場を探してみてください。

東北地域・北陸

ヒノキは寒さに弱い樹木なので、冬季に多雪が観測される東北地方や北陸での分布が少ないです。

他の都道府県と比べて、ヒノキの成長にそぐわない環境であることから人工林の面積が少ないことも特徴です。

東北地方・北陸地方にもヒノキの天然林があるため、全く花粉がないということはできませんが、影響が少ない地域としてキャンプ場探しの候補に挙げることはできるでしょう。

標高が高い地域

スギと同様、寒く乾燥した環境が苦手なヒノキにとっては、標高が高い地域は成長がしにくい環境といえます。

しかし、日本においては標高1500mの地域でもヒノキが生育していることが分かっているので、ヒノキが全くない環境を見つけることは困難です。

山梨県の清里や、宮城県の蔵王といった標高約1000mの地域であれば、低地よりもヒノキ花粉の影響が少ないことが見込めるため、スキー場があるような地域をヒントに探してみてはいかがでしょうか。

都市部は避ける

スギと同様、都市部のキャンプ場を避けることがヒノキ花粉対策として有効です。

大気汚染物質が花粉と結びつくことで、私たちのアレルギー反応が増幅してしまう可能性があります。

車の往来が多い場所や工場地帯が近くにある地域のキャンプ場は避けるのが無難でしょう。

シラカバ(シラカンバ)の花粉症対策になる場所とは

出典:写真AC

北海道・長野県は避ける

シラカバは寒い地域で成長できる樹木です。そのため、スギやヒノキが育ちづらい北海道や長野県で多く見られます。

シラカバ花粉にアレルギー反応がある方は、北海道・長野県を避けてキャンプ場を探すことがおすすめです。

暑い地域

シラカバは寒い環境を好む一方、暑い地域が苦手です。

分布図をみても、福井県や三重県より西側の地域ではシラカバの分布を確認できません。


出典:国立研究開発法人森林研究・整備機構ホームページ森林総合研究所環境影響チーム”シラカンバの分布図” 植物社会学ルルべデータベース 更新日:2021年8月20日(アクセス日:2024年3月3日)
https://www.ffpri.affrc.go.jp/labs/prdb/sirakanba.html


シラカバが全くない環境でキャンプをするのなら、中国地方・四国地方・九州地方といった温暖な気候を持つ地域でキャンプ場を探すことがシラカバ花粉対策として有効でしょう。

海沿い

シラカバは山地や、湖・沼のほとりに林を作っていることが多いです。

逆に日本において、海沿いにシラカバ林を形成している光景はほとんど見られません。

海に近いキャンプ場を探すことは、シラカバ花粉の影響を軽減する手段として有効だといえます。

イネ科(カモガヤ・ハルガヤ)の花粉症対策になる場所とは

出典:写真AC

河川敷・草原を避ける

イネ科の植物の中でも花粉症の原因となる、カモガヤ・ハルガヤは河川敷や草原などに多く生息しています。

繁殖力が強いため、日本全土で環境を問わず生息しています。

イネ科花粉の影響が全くない環境を探すことは、非常に難しいです。

できる限り生息の少ない環境を探すのであれば、日当たりの良い草原や河川敷がフィールドとなっているキャンプ場は避けるべきでしょう。

ひざ丈以上の草むらがないところ

イネ科花粉対策として、ひざ丈以上の草むらを避けてテントを立てられるキャンプサイトを探すことが有効です。

イネ科花粉の特徴として、遠くまで飛散しないことが挙げられます。そのため、カモガヤ・ハルガヤが生えている草むらに入ったり、近づいたりしないようにすることで、イネ科花粉のアレルギーを防ぐことができます。

花粉を飛ばすカモガヤ・ハルガヤは約60㎝以上の草丈なので、成人のひざ丈より高い草むらを避けてテントを立てられるキャンプ場を探しましょう。

花粉が少ないキャンプ場を探すためには、自身のアレルギーと、植物の生育環境を考えることが大事。

花粉の少ないキャンプ場を探す際には、自身がどんな植物にアレルギー反応を起こすかを考慮することが重要です。

アレルギー検査で原因を突き止めれば、原因となる植物の影響を受けにくい環境のキャンプ場を探せるからです。

本記事で紹介したような地域や周辺環境が、キャンプ場探しのヒントとして参考になるはずです。

せっかくの春キャンプが花粉症によって残念な思い出にならないよう、キャンプ場探しから工夫してみてくださいね。

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村路ハジメ

大学生時代に自然体験活動団体に参加していました。園児・小中学生を対象としたアウトドア事業(キャンプ・スキー・海遊びなどなど)を経験し、「自然の壮大さ」と「人間の成長」に大感動!現在は、スーパーカブでのソロキャンプツーリングを楽しんでいます。アウトドアの魅力と共に、野外教育の観点を含んだ記事を執筆します。