自然の中で楽しむキャンプには、危険がつきもの。実際に、怖い体験をしたことがある方も中にはいらっしゃるのではないでしょうか?
自然での危険なことは、いざ起きてから気を付けても遅い場合があります。
今回は、キャンプを安全に楽しむために気を付けたい5つのことを紹介します。
記憶の片隅に留めておくだけでもよいので、ぜひ最後までご覧ください。
当記事のコンテンツ
キャンプで危険な目に合わないために気を付ける5つのこと
1.テントを建てる場所に気を配る
テントを建てるとき、みなさんは何を基準に選びますか?
傾斜がないところ、水はけが良いところ、木陰……など、それぞれに重要視しているポイントがあるかと思います。しかし、普段建てている場所が実は危険な可能性もあるのです。
今回は地形にあわせて、おすすめの場所と避けてほしい場所をそれぞれ解説します。
山にあるキャンプ場
山や林間にあるキャンプ場では、傾斜がゆるやか、または平らなところを選ぶのがベスト。
崖の上、崖の下は地震などで崩れることがあるので必ず避けましょう。夜間は暗くもなりますし、脚を踏み外したら大変危険です。
また、木陰のキャンプサイトは涼しく快適ですが、大きな一本の木の下は落雷の恐れがあるため避けた方が良いでしょう。
最近では大木の倒木による死亡事故も起きました。新緑の時期に葉がついていない、枝が折れている、大木なのに簡単に揺れるなどの特徴を持つ木は「根腐れ」している可能性があるのだとか。(参考:NHK)
「キャンプ場だから安全」と決めつけず、自分自身でも状態を確認することが大切です。
河原にあるキャンプ場
河原で怖いのは、増水による死亡事故です。
まず、大前提としてどれだけ晴れていても中州にはテントを設営してはいけません。
中州は、上の写真のように川の中央にできる陸のような部分。一見、テントが建てられそうですが、増水するとそのまま川に流されます。
キャンプ場が晴れていても、上流で雨が降っている場合は突然川が増水する場合があるので気を付けましょう。川岸から少し離れた場所に設営し、すぐに逃げられるようにしておくと安心です。
また、子どもの川遊びにも注意が必要。「子どもは静かに溺れる」と言われているので、子どもからは目を離さず、ライフジャケットを着用させるなど、安全対策を忘れずに行いましょう。
海辺にあるキャンプ場
海辺にあるキャンプ場では、潮の満ち引きと崖に気を付けましょう。
潮の満ち引きは1日に2回あり、満潮と干潮の差は太平洋側の場合1.5mにも及びます(日本海側は約40cm)。
波が思ったよりも近い!と驚かないように余裕を持って設営することが大切です。
崖の下は崖が崩れてくる危険性があるので避けましょう。
2.風や落雷に注意する
次に気を付けたいのが天候です。
雨はもちろん降らない方が良いですが、それよりも気を付けたいのが風と雷。
強い風が吹くと、テントが飛ばされてしまう可能性があります。見晴らしがよい場所は気持ちが良いですが、多少風除けがあるほうが安心です。
風が強い日は、ロープに対して垂直になるように、ペグをしっかりと深く打ち込みましょう。
目安としては風速6m以上でキャンプを中止した方が良いとされています。
また、落雷を避けるには、上の図のような位置(木の幹や枝から最低2m以上離れていて、木の頂点を見上げる角度が45°以上になる場所)にテントを張るのが良いとされています。
ただし、雷が鳴っているときは安全な場所に避難することが最も大切です。
3.動物はいると思って対応
自然は動物のすみか。動物が暮らす自然の中にお邪魔しているのが私たちです。
熊、タヌキ、キツネなどは当たり前にいると思って動きましょう。
動物による被害にあわないために、就寝時にはゴミを車の中やコンテナの中にしまっておき、テント内などには入れないようにすることが大切です。
特に、熊の出没は生死に関わります。地域の出没情報はこまめにチェックしておきましょう。熊は朝夕と霧や風のある時間帯に活動を活発に行うため、その時間は山の中へ入らないようにしてください。
4.セキュリティ面にも注意して
キャンプ場では、盗難の被害も多く耳にします。
盗まれたくないもの、貴重品などは車やテントの中にしまっておきましょう。
また、女性キャンパーが性被害にあう事件も起きています。
人気のない場所でキャンプをしない、管理棟の近くにテントを建てる、ファミリー向けのキャンプ場を選ぶなどの対策を取るのがおすすめです。
中には、テントの入口に鍵をかける、防犯ブザーや催涙スプレーを携帯する(※催涙スプレーは正当な理由があれば合法ですが、軽犯罪法に触れる可能性があります)などの対策を取っている方もいますよ。
5.火の扱いは徹底する
火の事故は、死亡事故にも直結してしまいます。
例えば、タープやテントの中で火を使うと「一酸化炭素中毒」の危険性が高まります。そもそも、室内で火を使うのは引火の可能性もあり危険なのでやめましょう。
一酸化炭素中毒を防ぐために、一酸化炭素チェッカーというものも販売されていますので、詳しくは以下の記事をチェックしてみてください。
また、火災についても気を付けたいところ。火を使う際は風の強さに気を付ける、燃え移るもの(テント・ガスボンベ・枯れ葉など)の近くでは使わない、火の始末の徹底する、などの対策が重要です。
キャンプの危険性を十分に理解して楽しもう
キャンプの危険性について解説しましたが、危険性を知ったからと言って必ず安全に過ごせるわけではありません。正解もありません。
しかし、危険性を知っておくこと、対応策を覚えておくことはとても大切です。
「何度もキャンプをしているから大丈夫」と思う方もいると思います。しかし、近年起こっているキャンプの事故は初心者が起こしたものばかりではないのです。
改めて危険性について理解してキャンプを楽しみましょう。