雨の日に焚き火がしたいと思っても、通常のポリエステルやナイロンで作られたタープの近くで焚き火をすることは厳禁です。
爆ぜた火の粉が飛んで、穴が開いてしまったり最悪の場合燃え広がってしまうこともあります。
タープの近くで焚き火を行う場合は、必ず燃えにくいタープを使用しましょう。
今回紹介する火の粉に強いタープも「燃えにくい」というだけで、「燃えない」というわけではないので、慎重に使用しましょう。
当記事のコンテンツ
燃えにくい3つの素材
燃えにくい素材として、タープに使われている素材は主に3つです。
それぞれの素材の特徴を紹介していきます。
①TC(テクニカルコットン)
出典:Snow Peak
ポリエステル65%とコットン35%の混紡生地の事を「テクニカルコットン」や「ポリコットン」と言います。
商品にはTCやT/Cと記載されており、様々なメーカーからテクニカルコットンを使用したタープが販売されています。
燃えにくく、通気性がいいのがテクニカルコットンの特徴。
遮光性も高く、夏のキャンプにも適しています。
耐水圧の数値は低いですが、水を吸うと繊維が膨張する特徴があるので水が滴ることはほとんどありません。
3つの素材の中では、1番火に弱いものの、火の粉や紫外線に対してバランスよく、最も軽量で安価なので取り入れやすい素材です。
②VC(バリューコットン)
出典:テンマクデザイン
バリューコットンは、コットン60%ポリエステル40%とテクニカルコットンより、コットンの比率が多い素材です。
より炎に強く、遮光性も向上しています。
コットンの割合が多い分、重量は増しますがコットンのナチュラルな印象と柔らかさが魅力です。
③コットン
出典:unsplash
コットンはその名の通りコットン100%の素材の事。
3つの素材の中で最も燃えにくく、重量があります。
経年劣化が少なく、優しい風合いが特徴です。
吸水性が高く、水分を吸うとさらに重くなり吸収量を超えると雨漏りしてしまう可能性も…。
また、速乾性がないのでしっかり乾かして手入れしないとカビが発生してしまうというデメリットがあります。
火の粉の飛散を防ぐポイント
焚き火をしていると、バチっと大きく火の粉が上がり飛散した経験があると思います。
テントやタープ、衣類に穴が開くのはこの火の粉が原因です。
ちょっとしたポイントを抑えると、火の粉の飛散も最小限にすることができますので合わせて覚えておきましょう。
薪をしっかり乾燥させる
出典:Amazon
乾燥が充分にされていない薪や、湿気た薪は、内部で水蒸気が蒸発して爆ぜやすくなります。
薪が湿っていたら乾かし、乾いている薪は直接地面に置かずに、薪スタンドを活用するなどして湿らないようにしましょう。
風が強い時は焚き火を控える
出典:unsplash
風が強い時は、空気も入りやすく火が大きくなりがちです。
さらに、通常は舞い上がらないようなサイズの火の粉も遠くまで飛んで行ってしまうことがあります。
火災につながる恐れもあるので、風が強い時は焚き火自体を控えた方がいいでしょう。
針葉樹と広葉樹を使い分ける
スギなどの針葉樹の薪は、油分が多く比較的爆ぜやすいです。
針葉樹はできるだけ焚き付け用に使用し、火が大きくなってきたら油分の少ないナラなどの広葉樹を使うことで爆ぜにくくなります。
炎の大きさをコントロールする
火力が大きくなると、上昇気流が強くなるので火の粉が勢いよく舞い上がり遠くに飛んで行ってしまいます。
一度に大量の薪をくべることはせずに、焚き火スペースを考慮しながら、火の大きさを調整しましょう。
火の粉に強いタープのオススメ6選
テンマクデザイン ムササビウイング13ft.TC“焚き火”バージョン
出典:テンマクデザイン
ムササビウィングは名前の通り、ムササビのような個性的なシルエットのタープです。
ポール1本あれば簡単に張ることができ、目的に合った空間を自由に作り出すことができる応用度の高さが特徴です。
ポールを2本使って高低差を出して、タープの中を広く使うのもおすすめの張り方です。
ソロやデュオで活躍するサイズのタープですが、ワンポールテントの前室としてファミリーで使用するなど、使い方は様々です。
サイズ | 約390×380/240(幅)cm |
重量 | 本体/1,900g 総重量/2,150g |
素材 | 本体生地:コットン混紡生地(TC) 撥水加工済み (ポリエステル65%コットン35%) |
付属品 | 収納袋、張綱/φ4mm×4.5m×1本、φ4mm×3.5m×3本、φ4mm×1.5m×2本 ※ポール、ペグは別売り |
ムササビウイング13ft.TC“焚き火”バージョンの口コミ・レビュー
ソロキャンプで使用するコンパクトなタープを探してたどり着きました。
充分な広さで、初心者でも簡単に設営できます。
しっかり高さを確保したら、近くで焚き火もできました。
SotoLabo cotton KOKAGE tarp Sand color
出典:SotoLabo
ネーミングの通り、木陰のように遮光性の高いコットン100%の透湿防水素材を使用したタープです。
真夏の炎天下でのキャンプに涼しい空間を作り出し、快適に過ごすことができます。
こだわりのMade in Japanで、実用性とデザイン性を兼ね備えたレクタ(長方形)タープです。
サイズ | 約3m×約4m |
収納サイズ | W約21cm×D約10cm×H約56cm |
重量 | 約3kg(収納袋込) |
素材 | コットン100%透湿防水 パイピング/ポリエステル100% ガイライン/Dyneema Guy Line φ3.5mm(リフレクション反射) ループ部分/ポリプロピレン100% 自在/Line-lok |
付属品 | 収納袋 ※ポール、ペグは別売り |
SotoLabo cotton KOKAGE tarp Sand color の口コミ・レビュー
他のメーカーのコットン100%のタープに比べて軽量なので扱いやすいです。
高級感があり上品な印象で、自慢のサイトに仕上がります。
snow peak TAKIBIタープ オクタ
出典:snow peak
スノーピークのTAKIBIタープは、難燃性のインナールーフを備えた焚き火対応のタープです。
雨の中で焚き火をするシチュエーションでは、タープの耐水性も重要になってきます。
タープ本体をポリエステル、インナールーフをポリコットン素材にすることで、耐水圧を確保しながら焚き火を楽しめるという画期的な商品です。
また、2重構造にすることで、遮光性が向上し快適に過ごすことができます。
サイズ | 約450cm×510cm |
収納サイズ | キャリーバッグサイズ:83×25×26(h)cm |
重量 | 8.9kg |
素材 | タープ本体/210Dポリエステルオックス・PUコーティング・テフロン撥水加工・UVカット加工 インナールーフ/ポリエステル・コットン混紡 |
耐水圧 | 1,800mmミニマム |
付属品 | タープ本体、インナールーフ、自在付ロープ(二又用10m×2、二又用7m×2、3m×4、2m×4)、キャリーバッグ、ポールケース、ペグケース |
snow peak TAKIBIタープ オクタの口コミ・レビュー
3人で使用しました。ゆとりがありとてもよかったです。
設営は1人では大変ですが、3人でやればあっという間です。
雨を防ぎながら焚き火ができる理想的なタープです。
mont-bell ビッグタープHX
出典:mont-bell
コットン混紡素材のタープは、サイズが大きくなるほど重量も重くなるので、扱いが大変になります。
mon-bellのタープは独自の難燃加工を施しており、ポリエステル素材ながら燃え広がりにくい加工がされています。
mont-bellの難燃加工は、垂直に立てた生地に下から12秒間炎を当てると、未加工のものに比べておよそ半分の延焼で済むという検証結果が出ています。
サイズ | 約480×500(cm) |
収納サイズ | 約78×18×19(cm) |
重量 | 2,100g 3,080g(ペグとバッグを含む) |
素材 | 75デニール・ポリエステル |
付属品 | タープ本体1、本体用スタッフバッグ1、ポール用スタッフバッグ1、∅3mm反射材入り張り綱6本、27cmアルミペグ 8本、ペグ用スタッフバッグ1 |
耐水圧 | 1,500mm |
TENT FACTORY Hi-TCタープ470
出典:TENT FACTORY
TENT FACTORY独自の、コットン65%ポリエステル35%という通常のTCよりコットン量が多いヘキサ(六角)タープ。
さらに生地の裏側をコーティングすることで、耐水性、耐久性も向上しています。
ただし、コーティングによって耐水性が上がったことにより、従来のTCタープの通気性には劣るというデメリットもあります。
サイズ | 4700××4200mm |
収納サイズ | 70x27x13cm |
重量 | 3.7kg(付属品全て含む) |
素材 | Hi-TC(コットン65%・ポリエステル35%) |
耐水圧 | 2000mm |
付属品 | ガイドロープ:8mx2・3mx4 専用キャリーバッグ(70x27x13cm) ※ポール・ペグは別売り |
TENT FACTORY Hi-TCタープ470の口コミ・レビュー
コスパのいいTC素材のタープを探していたところたどり着きました。
4人でも使用可能な大きさや、落ち着いたカラー、価格も大満足です。
テンマクデザイン パンダVCタープ
出典:テンマクデザイン
テンマクデザインのパンダVCテントと連結できるVC素材のタープです。
もちろん単体での使用も可能で、170cmのスチールポールが標準装備なので、手持ちのテントに合わせてレイアウトすることができます。
四隅を直接地面にペグダウンすることで、雨や風を防ぎます。
VC素材なので日差しや火の粉に強く、さらに冬の冷たい風からも身を守って快適に過ごすことができます。
サイズ | (約)4,000×3,400×1,700(高)mm |
収納サイズ | (約)500×170×170mm |
重量 | 総重量5,700g/本体幕体2,860g/ポール2,280g/張り綱160g |
素材 | コットン60% ポリエステル40% 表面撥水加工 |
付属品 | ポール×2、張り綱×2、カラビナ×1、収納ケース |
テンマクデザイン パンダVCタープの口コミ・レビュー
明るいカラーで夜でもサイトが明るく見えます。
サイズはソロにちょうどよく、設営も簡単なので気に入っています。
適切なギアを使用して安全に楽しもう
安全に焚き火を楽しむために、まわりの環境はとても重要です。
タープだけでなく、枯れ木や枯草に火の粉が飛散すると、火事につながることもあります。
焚き火シートや難燃性のタープを使用するなど、適切なギアを使用して、安全に焚き火を楽しみましょう。