焚き火や薪ストーブで薪を燃やす際、「この薪、しっかり乾燥しているかな?」と気になる方が多いのでは?
薪の水分量が多いと火付きや燃焼効率が悪いほか、煙や煤(すす)の発生量が増えるなどの原因となるため、しっかり乾燥した薪を使いたいものですよね。
そこで今回は、薪の乾燥度を見える化する「水分計(含水率計)」をご紹介!
水分計を使用することで薪に含まれる水分量を一瞬にして把握でき、しっかり乾燥した薪を見極め快適な焚き火キャンプを楽しむことが出来ますよ!
当記事のコンテンツ
水分計(含水率計)とは?
水分計とは、薪に含まれる含水率(水分量)を測るための測定器具。
「含水率計」や「モイスチャーメーター」とも呼ばれ、先端に設けた金属の針から微弱な電流を流し、その際の電気抵抗値を湿度の数値として表示します。
水分計があることで薪の乾燥度を瞬時に数値化し見極めることができるため、焚き火や薪ストーブを取り入れたキャンプスタイルならぜひとも装備しておきたい必須アイテムです。
「専門器具だからお高いんじゃないの?」と思いがちですが、実は比較的お安く2,000〜3,000円程度から購入することが出来ますよ!
水分計(含水率計)を使う理由やその効果
焚き火に使用する薪の含水率(水分量)が多いと、以下の弊害があります。
- 火付きが悪い
- 発熱量が小さく火力が弱い
- 煙や煤(すす)の発生量が増える
薪の水分量が多いと、火付きが悪いうえに火力も弱く燃焼効率が低下(燃費が悪い)し、完全に燃焼することが出来ず煙や煤(すす)が多く発生してしまいます。
しかし、水分計を使用することで薪の乾燥具合を把握することができ、適切な水分量の薪を使うことで火付きがよく火力が高まり、効率よく燃焼させることが可能です。
また、煙や煤の発生を抑制できるのも大きなポイントであり、焚き火の煙が目に染みたりニオイが衣服についたり、薪ストーブなら煙突の煤詰まりを軽減できるなどの効果があります。
薪に適した含水率(水分量)とは?
薪に適した含水率(水分量)は、一般的に「15〜20%以下」が適切とされています。
生木の含水率は50%以上と言われており、薪として使用するためには約2〜3年の期間しっかり乾燥させる必要があり、含水率が低ければ低いほど乾燥度が高く燃焼効率や発熱量が高くなります。
水分計には「ピンタイプ」と「非接触タイプ」の2種類がある
薪の含水率を計測する水分計には、大きく分けて「ピンタイプ(電気抵抗式)」と「非接触タイプ(高周波式)」の2種類があります。
ピンタイプ(電気抵抗式)
出典:Amazon
ピンタイプは、薪の表面に金属の針を差し込み、電流を流すことで電気抵抗(水分値)を測定します。
比較的安価で、誰でも簡単に使用できるのが特徴ですが、測定物を傷つけるのがデメリットです。
非接触タイプ(高周波式)
出典:Amazon
非接触タイプは、測定物に水分計を密着させ、薪から発する電波や音波の反射を計測することで内部の水分量を測定します。
ピンタイプのように針を差し込む必要がないので測定物を傷つけないのが特徴ですが、ピンタイプに比べると高価で、表面水の影響を受けやすいというデメリットがあります。
水分計(含水率計)の使い方
出典:Amazon
薪の含水率を計測する水分計(含水率計)の使い方は、以下の通りです。
- 計測したい薪を新たに割る
- 電源を入れ、適合する木材グループを選択
- 木の筋に沿って針を差し込む
- 水分計のボタンを押して計測開始
- 3〜4箇所を計測し、平均値を出す
ここでポイントとなるのが、「新たに割った薪を測定」する点と「3〜4箇所を計測」すること。
薪の含水率は、薪の表面と内部で異なるため、保管していたままの状態で測るより新たに薪を割ることで内部の水分量を計測でき、また複数箇所を測り平均値を出すことでより正確に含水率を測定できます。
水分計(含水率)のおすすめ5選
それではここから、薪の含水率が測れるおすすめの水分計をご紹介していきます。
手軽に測定でき安価な「ピンタイプ(電気抵抗式)」の水分計を厳選しましたので、ぜひお気に入りを見つけてみてくださいね!
おすすめ①ファイヤーサイド デジタル含水率計
出典:楽天市場
薪ストーブや暖炉などの暖房器具を製造・販売しているアメリカの老舗メーカー「ファイヤーサイド」の技術とノウハウを結集させた高品質なデジタル含水率計。
2本のプローブ(金属部分)を薪に差し込むことで瞬時に水分量を計測し、見やすい液晶ディスプレイで薪の乾燥状態が一目瞭然です。
5〜40%の範囲で水分量を測定することができ、交換用ブローブ針(2本)が付属しているのが嬉しいポイント。
専用のキャリーバッグに収納し、軽量コンパクトに持ち運び出来ます。
サイズ | 幅65×奥行30×高さ130mm |
重量 | 85g |
水分測定値 | 5〜40% |
ファイヤーサイド デジタル含水率計の購入者レビュー
・シンプルで使いやすい。薪の仕入先により状態がそれぞれなので、数字で見れるとやはり安心です。
・ケースや電池がついているのはもちろんですが、ちゃんと説明書や予備の針までついていて本当にお得でなにより安心です。(1年保証もちゃんとついていますよ)
おすすめ②ホンマ製作所 薪含水計 EM-4806
出典:Amazon
昭和49年に創業し、煙突や薪ストーブ・BBQコンロなどを手掛ける老舗金属加工メーカー「ホンマ製作所」の薪含水計。
薪や木材はもちろん、コンクリートやモルタル・石膏などの建材含水率も測定出来るのが特徴です。
出典:Amazon
そのほか、気温の計測やバックライト機能・自動電源オフなど機能が満載。
薪や木材なら6〜42%の範囲内で水分量を計測することが出来ます。
サイズ | 幅40×奥行20×高さ80mm |
重量 | 約0.5g(電池含む) |
水分測定値 | 木材:6〜42% |
おすすめ③Proster 木材水分計
出典:Amazon
電子製品と工具に特化したブランド「Proster」の大きなLCD画面が見やすく操作が簡単な木材水分計。
手頃な価格で購入でき、「水分計を試してみたい」など初めての水分計におすすめです。
出典:Amazon
4つの測定モードやデータホールド機能を装備し、測定した数値を記録できるのがポイント。
木工職人からDIYユーザーなど幅広く使える優れものです。
サイズ | 幅6.7×奥行3.2×高さ14.4cm |
重量 | 230g |
水分測定値 | 0-99.9% |
Proster 木材水分計の購入者レビュー
・薪の表面と割った断面を計測したら数値として違いも確認できたので目安になる。
・精度はわかりませんが、目安として手軽に測れ気に入っています。
おすすめ④ブレンネンストゥール 水分測定器 MD
出典:Amazon
Amazonで圧倒的人気を誇るドイツの老舗電器メーカー「ブレンネンストゥール」の高精度な木材水分計。
直感的な操作が可能で使いやすく、「ドイツ・イノベーション・アワード2022」金賞を受賞するなどデザイン性にも優れているのが特徴です。
出典:Amazon
水分量が多いと音のアラームで知らせてくれるビーブ音機能を搭載し、室温測定も出来るなど機能満載。
薪の測定はもちろん、木工や建築・DIYなどさまざまな用途で活躍します。
サイズ | 幅6.5×奥行2.5×高さ15cm |
重量 | 約100g(0.22ポンド) |
水分測定値 | 木材:5〜50%、建材:1.5〜33% |
ブレンネンストゥール 水分測定器MDの購入者レビュー
・非常にコンパクトで握りやすい。正確な測定値で優れています。
・正確な水分検出器で、その性能と精度には非常に満足しています。
おすすめ⑤シンワ測定 デジタル水分計
出典:Amazon
新潟県三条市に本社を置く測定機器メーカー「サンワ測定」の木材専用に設計された高精度センサーを搭載したデジタル水分計。
測定誤差±1%で木材の含水率を正確に測定出来ます。
出典:Amazon
データ記録用のメモリ機能や最大/最小をホールドできる機能を備え、誰でも簡単に操作できるのがポイント。
DIY作業をはじめ、製材所や工務店でも重宝する本格仕様です。
サイズ | 幅7.8×奥行5.4×高さ18.8cm |
重量 | 162g |
水分測定値 | 6.8〜60% |
シンワ測定 デジタル水分計の購入者レビュー
・適度な大きさでグリップした感じが良い。2本の針も丈夫なのでしっかり木材に刺すことが出来ます。
・数値のホールドだけでなく、最高値と最低値を確認できるのはありがたいです。あと、電池の消し忘れにも配慮されていて良いと思います。
含水率が高い薪を使う場合の対策や注意点
出典:O-DAN
手元に含水率が高い薪しかなく、やむなく焚き火で使う場合は、以下の対策を取るようにしましょう。
- 細く小割にして燃やす
- 火を大きくしない
含水率が高い薪は火付きが悪いので、細く小割にすることで燃えやすくなります。
また、含水率が高いと燃焼熱(火力)が小さいため、火を大きくすると燃え尽きず煙や煤が発生しやすくなる原因に・・・。
そのため、薪の量を調整するなど火を大きくし過ぎないことで煙や煤を軽減できます。
出典:O-DAN
また、含水率の高い薪を焚き火で燃やす場合は、以下の点にも注意が必要です。
- 薪が爆ぜやすい
- 火の粉による火傷や引火に注意
薪の含水率が高いと、薪の中に水蒸気が多く含まれます。
水蒸気は熱せられると急激に膨張するため薪が爆ぜる可能性が高く、取り扱いに注意が必要です。
また、薪の中の灰や燃えカスも一緒に燃焼することで火の粉が飛び散りやすくなり、火傷や周囲の燃えやすいものに引火し火災を引き起こす危険性があります。
まとめ
今回は、薪の含水率を計測できる水分計をご紹介してみました。
薪に含まれる水分量が多いと、火付きが悪く火力も小さいため燃焼効率が悪く、おまけに煙や煤が発生しやすくなるため、しっかり乾燥し適正な含水率の薪を使用する必要があります。
今回紹介したおすすめの水分計を参考に、薪の乾燥度を「見える化」して快適な焚き火キャンプを楽しんでみてくださいね!