手頃な価格とサイズ感で大人気のトランギア「メスティン」ですが、ソロキャンプや登山ですでに活用されている方も多いと思います。
スクエア形状はパッキングもしやすく、材料や道具を入れて持ち歩いたり、一度メスティンを使ってしまうと手放せません。
そんなメスティンですが、使う前に儀式とも言うべき作業があります。
「シーズニング」と呼ばれる作業で、新品のメスティンにちょっとした手を加えることで、その後の使いやすさが断然、変わってきます。
今回は、そのメスティンのシーズニングについてご紹介します!
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そもそもメスティンとは?
メスティンとは、アルミ製の飯盒でトランギアが製造、国内ではイワタニプリムスが販売しています。
小さなボディで、煮る・焼く・蒸すなど多彩な調理ができるのが、メスティンの魅力のひとつです。
メスティンにシーズニングが必要な理由
メスティンにシーズニングを行うことで得られるメリットは、独特のアルミ臭をおさえることと、薄く被膜をはり焦げつきや汚れを防ぐことです。
メスティンには、絶対にシーズニングが必要という訳ではありませんが、シーズニングをすることで上記の効果が得られ、使い勝手が良くなると感じます。
シーズニングにはメリットがあり、手にかけることでメスティン愛も深まりますので、個人的にはシーズニングをおすすめします。
メスティンを使う前にやるべきこと
メスティンは使うまでに、開封からバリ取り・シーズニングの作業を行います。
今回は初炊飯もあわせて、一連の作業をご紹介します。
①メスティンの「バリ取り」を実践
メスティンを箱から取り出します。
新しいメスティンは、加工した切り口の仕上げが荒く、触るとザラついているのがわまります。
強く触ってしまうと指を切ることもあるので注意しましょう。
メスティンの縁をペーパーがけ
切り口を滑らかにするため、紙ヤスリで削ります。
- 粗目(#40~100)
- 細目(#280~800)
- 極細目(#1000~)
の順にペーパーがけをし、軽く触って滑らかになっていたら完了です。
アルミ粉が出るので手袋・マスク・保護メガネの用意を推奨します。
②メスティンの「シーズニング」を実践
切り口の仕上げが終わったら、いよいよシーズニングをします。
お米の研ぎ汁は1合分で足りますので、用意しておきましょう。
研いだお米は、後の初炊飯で使用します。
シーズニング前に「お米1合ぶん」を研いで、とぎ汁とお米を分けておきましょう!
メスティンの本体・蓋を鍋に入れます。
ハンドルを外したメスティンが入るサイズのお鍋を用意し、メスティン本体と蓋を入れます。
沸騰させるので、お湯が跳ねないよう高さに余裕のあるものがいいですね。
お米の研ぎ汁を入れます。
用意した1合ぶんの研ぎ汁に水を足し、鍋に入れます。
全面をシーズニングするなら、完全に浸かるように入れましょう。
15~20分ほど煮ます。
お鍋を火にかけて沸騰させます。
噴きこぼれや、中で動くので重なってしまわないよう、たまに様子を見ましょう。
シーズニング完了!
シーズニングをすると、研ぎ汁の被膜が張り、白濁した状態になります。
沸騰させたばかりのメスティンは、強度が落ちているので慎重に扱いましょう。
シーズニングで張った被膜は、恒久的なものではありません。アルミ臭が出たり、焦げつきが多くなったと感じたら、改めてシーズニングを行う必要があります。
③シーズニング後の「初炊飯」!
シーズニングが済んだメスティンと、研いであったお米で簡単に炊飯の流れをご紹介します。
大げさではなく、上手に炊けると炊飯器で炊くものとは比べ物にならないほど美味しくなりますよ。
研いだお米1合と水をメスティンに入れます。
研ぎ汁のために研いだお米1合と水をメスティンに入れます。
お米は30分ほど水につけておきましょう。
メスティンのハンドル部のリベットが、1合分の水の目安です。
炊込みご飯などで、水の量の目安にもなりますよ。
今回はエスビットの固形燃料14gで炊きます。
メスティンとセット買いしておきたいアイテム「エスビット ポケットストーブ」で炊飯します。
エスビットの固形燃料は、14gで12分燃焼し、徐々に弱火になっていくので自動炊飯のマストアイテムです。
メスティンを火にかけます
ここからが自動炊飯です!燃料が燃え尽きるまで待ちましょう。
屋外での炊飯は、火力を安定させるために風防をつけるといいですね。
メスティンを蒸らします。
燃料が燃え尽きたら、メスティンを逆さにしてタオルにくるみ、10分ほどを目安に蒸らしましょう。
この時のメスティンは、かなり熱くなっているので、火傷に注意しましょう。
焦げつき無しで炊飯完了!
炊飯完了です!
ほぼ焦げなしの完璧な炊飯ができました。
多少、焦げついていたとしても、香ばしくて美味しいですよ。
メスティンを使う時の注意
メスティンを使うとき、注意したいことがいくつかあります。
メスティンを長く使用するために、特に気をつけたい点をいくつかご紹介します。
空焚きに注意!
メスティンはアルミニウムでできています。
アルミニウムが溶け出す温度は660°なので、何も入れずに火にかけると溶けてしまいます。
実は今回のシーズニングも、うっかり空焚きしてしまいメスティンに穴を開けてしまったため、新調することになったからです。
私が言うのもおこがましいですが、空焚きには気をつけましょう。
シーズニング後は洗剤を使わない
メスティンのシーズニングは、恒久的なものではなく、研ぎ汁の被膜は使っているうちに落ちてしまいます。
洗剤で洗うと、シーズニングで張った被膜を洗い流してしまうので、汚れがひどくなければ水洗いにしておきましょう。
焦げついてしまったら・・
調理によってはメスティンが焦げついてしまうこともあります。
しつこい焦げつきは、お酢を入れて沸かしたお湯で煮詰めると綺麗になりますよ。
メスティンを活用しよう!
メスティンは、言ってしまえば普通の飯盒ですが、それだけではない魅力があります。
シーズニングも必ず必要ではないですが、自分が手をかけて育てたメスティンは、何にも変えがたく自宅でも使いたくなってしまいます。
万能な調理器具、メスティンを活用して、アウトドア料理を楽しみましょう!