トランギアといえばハンドル付き飯ごうの「メスティン」が有名ですが、半世紀以上のロングセラーを誇る隠れた名品「アルコールバーナー」をご存じでしょうか?
今回は、知る人ぞ知るトランギアの名品「アルコールバーナー」の魅力について、たっぷりご紹介していきたいと思います。
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そもそも「アルコールバーナー」とは?
キャンプで料理をするなら、ガスバーナーや炭火、焚き火、固形燃料など火力の選択肢はたくさんありますが、そのひとつが「アルコールバーナー」(アルコールストーブ)です。
アルコールバーナーとは、その名の通り燃料用のアルコールを利用して火を点ける携帯用コンロのこと。
コンパクトで軽い製品が多く、キャンプだけでなく登山といったアウトドアの際にも重宝されています。
燃料となるアルコール(エタノールやメタノール)は比較的低価格なうえ、ドラッグストアなどでも購入可能。
また、アルコールは寒さに強いため、ガスのように寒い場所で火力が落ちたり点火できないという事態にもなりません。
ライターなどの火を近づけるとすぐに点火し、フタをかぶせると消火できるという、使用方法のわかりやすさも魅力です。
火力調整が難しかったり、火力が風の影響を受けやすいというデメリットもありますが、五徳や風防などをうまく活用すれば、デメリットよりはるかにメリットを感じられるアイテムだといえます。
トランギアのアルコールバーナーを徹底レビュー
トランギアのアルコールバーナーはこんな製品
こちらが、トランギアから発売されているアルコールバーナー。
タンク本体(右下)と、火力調整や火消しに使用するフタ(左下)そしてタンク用フタ(中央上)という3点セットになっています。
タンクの容量は約100ml。タンクの2/3まで燃料と注ぐと、約25分間燃焼します。
火力の調整は火力調整用のフタを利用。
火力調整用のフタを乗せない状態で強火、フタを乗せて全開にしている状態で中火、あとはフタをスライドさせて開口部を狭くするほど弱火になっていくと考えてください。
スライドを完全に閉めた状態でタンクに被せれば消火されます。
ただし、使用中は素手で触れない熱さになるので、革製のグローブやトングなどを準備しておくと安心です。
ちなみにタンクを裏返すとtrangia(トランギア)の「T」の文字が。
ほぼ目に入ることのない場所ですが、こだわりが感じられてテンションがあがります…。
トランギア製のメスティンに入れるとサイズはこんな感じ。
ライターや小型の五徳などは一緒に収納できそうです。
アルコールバーナーはクッカーなどを直接乗せることができないので、必ず五徳が必要になります。
トランギア正規品の五徳もいろいろありますが、私が使っているのは100円ショップの「セリア」が販売している「クッカースタンド」。
100円の五徳でも使用感に問題はないのですが、サイズ的に火力調整のフタを使うのは難しいですね。
本体をセンターからズラせばフタを開閉できなくもないですが…。
メスティンにはギリギリ収納できる(何とかフタが閉まる)サイズです。
ちなみにダイソーから発売されている「アルコールバーナー五徳」はセリアのものより5mmほど大きい(長い)ので、トランギアのメスティンには入らないと思います。
こちらのトランギア正規品「トライアングルグリッドⅡ型」であればメスティンにキレイに収まりますよ。
トランギアのアルコールバーナーを使ってみよう!
アルコールバーナーでお湯を沸かす
アルコールバーナーに燃料を注いだら、五徳と風防をセッティングし、火力調整のフタを付けずに火を点けます。
火力が安定するまで30~1分ほど待ちましょう。
ちなみにアルコールバーナーの火は安定するまで目視しづらいです。特に日中などは炎が見えずに不安になりますが、絶対に顔を近づけたりしないでくださいね。
周囲の小さな穴からも火が出て安定したら、準備はオッケーです。
今回は約400ml入りのケトルで水を沸かしてみます。
フタがないタイプのケトルですが、7分ちょっとで沸騰しました。
五徳よりもケトルやクッカーのサイズが小さいときのために、写真のような網などを用意しておくと便利ですよ。
アルコールバーナーでご飯を炊く
メスティンでお米1合を炊いてみます。
洗ったお米をメスティンに入れ、水をリベット(ハンドルの根本についている丸い突起)の真ん中あたりまで注ぎます。
その状態で30分以上吸水させておくと、芯が残らずふっくらとした炊き上がりに。
火力調整用のフタは付けず、強火の状態で火にかけます。
10分ほどでメスティンから湯気や蒸気が噴き出してくるので、フタが浮かないように重しを乗せましょう。
この段階で弱火にする方法もありますが、今回は火力調整なし(強火のまま)で続行。
さらに8分ほどたち、ふつふつと沸騰している音がおさまってチリチリと香ばしい匂いがしてきたら火から降ろします。
メスティンを逆さにし、タオルなどで包んで10分ほど蒸らせば完成です。
ふっくらと火が通り、底がほんのり「おこげ」になっていて美味しく炊けました。
アウトドアでの炊飯は風や気温などの影響を多大に受けるので、音や匂いをヒントに時間を調整してみてくださいね。
アルコールバーナーと一緒に揃えたい!おすすめアクセサリー
トランギア フューエルボトル オリーブ
安全で便利なトランギアの燃料ボトル。アルコールバーナーに使用する燃料は引火性が高いので、専用のボトルで持ち運びすると安心です。
フタの部分がセーフティバルブ形式になっており、つまみを回して上部のボタンを押すと弁が開いて燃料が出るという仕組み。
容量は0.3L、0.5L、1.0Lの3サイズ展開で、カラーはオリーブのほかに赤もあります。
0.3Lサイズであれば、アルコールバーナーと一緒にメスティン(ラージ)に収納することができますよ。
EVERNEW(エバニュー) チタンゴトク TriveTi
厚さ1mm、質量13gとかなり軽量でコンパクトな五徳。
アルコールバーナーを囲むのではなく、バーナーの上部に直接設置して使用します。
メイドインジャパンのチタン製でありながら、1500円以内で買えるお手頃さも魅力です。
VARGO(バーゴ) チタニウム ヘキサゴンウッドストーブ
優れたチタン製品のアウトドアギアブランドとして知られるバーゴ。
なかでも「ヘキサゴンウッドストーブ」は、ウッドストーブとして有能なのはもちろん、アルコールバーナーの風防兼五徳としても多くのキャンプパーから支持を集めています。
少し価格がお手頃になるステンレス製のものもありますよ。
ストームクッカーS・ウルトラライト
ストームクッカーは、これまで様々なクックウェアを生み出してきたトランギアの、フラッグシップモデルともいえるクッカーセット。
クッカー、ハンドル、ウイングシールド(風防)、そしてアルコールバーナー自体もセットになっているため、これからアルコールバーナーの購入を考えている方におすすめのセットです。
五徳の役割も兼ねたウイングシールドは風をうまく取りこんで火力に変える構造になっており、「風の影響を受けやすい」というアルコールバーナーの弱点をメリットに変えています。
トランギアのアルコールバーナーを持ってキャンプに出かけよう
アルコールバーナーには、「燃焼中の音が静か」という特徴もあります。
キャンプ場で静かな夜を過ごしたいときにもぴったりのアイテムです。
あなたも次のキャンプには、アルコールバーナーを連れていってみませんか?