みなさんは、CB缶とOD缶の違いをきちんと説明できる自信はありますか?
「円柱型と丸っこいのがあって、丸っこいのが高くてモチが良さそう。」という認識で終わっている方が多いのでは?
この記事を読み進めれば、これまで知らなかったガス缶の知識が手に入るだけでなく、理解が深まることで使い分けが上手になり上級キャンパーに仲間入りできますよ。
誰もが使用するガス缶だからこそ、ちょっと深掘りしてみましょう。
当記事のコンテンツ
CB缶とOD缶は略称
それぞれのネーミングは略称ということをご存知でしょうか。
CB缶は「Cassette Gas Bombe(カセットガスボンベ)」、OD缶は「OutDoor」の略です。
CB缶は一般的に普及しているカセットガスコンロに使われるので、カセットガスボンベというワードは何気なく耳にしていることでしょう。
しかし、OD缶のOutdoorに関してはキャンパーの間でも周知されている方は少ないかと思いますので、ぜひ覚えておきましょうね。
CB缶とOD缶の特徴
ガス缶というと、この円柱型のCB缶を思い出す方がほとんどではないでしょうか。
CB缶は一般にも普及しておりホームセンターやコンビニでも見かけるので、みなさんにもお馴染みのガス缶ですね。
カセットコンロでお鍋をする際に使用するのが王道かもしれません。
また、安価なイメージのあるCB缶ですが、モノによっては100~500円前後の値段幅があるのも特徴です。
逆に、OD缶はちょっと敷居が高そうな印象ですよね。
アウトドアブームでホームセンターなどでも目にする機会は増えましたが、OD缶が使えるガス器具を所有していないと購入検討に至りません。
見た目がオシャレなので気になっている方も多いと思いますが、CB缶とは明らかに違うお値段に遠巻きに見て終わる方が多いかもしれませんね。
CB缶のメリットデメリット
CB缶のメリット
CB缶の最大のメリットは、すぐ手に入りやすいことです。
ホームセンターやスーパーやコンビニ、100円ショップでも購入できるようになりましたね。
コロナ禍で内食する方が増えたことでカセットコンロ需要が一気に増え、同時にCB缶需要も爆伸びしています。
CB缶は、家計にも優しいお値段で1本100円前後。
お鍋をしても1回で使い終わることはないのでコスパも良いです。
さらに、CB缶は外観をカバーしオシャレな見た目に変身させるのに最適な円柱形になっています。
オシャレキャンパーさんであれば分かると思いますが、CB缶の元のデザインを隠してオシャレに変身させるのが上級者です。
カバーすることでサイトイメージが統一され、キャンプにとって大切な自己満足感も上がります。
革で手作りされるコダワリがあるキャンパーさんが多いですが、不器用な方でも100円ショップにクオリティの高いカバーが販売されていますよね。
気軽にチャレンジできるので、お気に入りのデザイン探しに行かれてみてはいかがでしょう。
CB缶のデメリット
CB缶は火力が弱いといわれています。
CB缶と同様に、CB缶用ガス器具というのも屋内用として作られているので火力が弱くなります。
なぜかというと、周囲の影響を受けにくい室内で使用することを前提としているので、火力の大きさをマックスまで求める必要はないからです。
だからと言って、CB缶用ガス器具で調理をして不満ができるまでもない事は、みなさんもご存知ですよね。
CB缶用ガス器具で鍋や焼肉などをしても問題なく調理は出来ます。
要は、屋外用対応のOD缶やOD缶用ガス器具と比べると、ある一定の火力で抑えられているのがCB缶でありCB缶用ガス器具になるのです。
OD缶に比べると高火力ではないものの、過酷な環境でない限り事足りるのがCB缶です。
ただし、CB缶用ガス器具だからとあなどっていけません。
ここ数年で、万全な防風対策やアウトドアに特化した高い火力設定のCB缶用ガス器具を見かけるようになり、それに伴い、火力の強いCB缶も徐々にお目にかかるようになりました。
ここ数年、これまでにはなかった機能のギアなど見受けられキャンプギアの移行期なのかもしれません。
今後、CB缶でもアウトドアに特化した高火力なガス器具が続々と販売されるかもしれませんね。
また、アウトドアに本格的にハマリだすとCB缶で使用できるギアが少ないことに気が付かれるかもしれません。
ガス器具以外にも、ランタンやヒーターなどアウトドアという環境下で効率良く調理したり暖まるためにはCB缶では補えずOD缶である場合が多いのです。
「これ、良い!」と思って勢いで購入するのは止めて、購入を検討する際には必ず使用できるガス缶の確認をしましょう。
OD缶のメリットデメリット
OD缶のメリット
OD缶はアウトドアでの使用を目的としているので、高山や雪中キャンプなど過酷な環境下でも活躍してくれます。
OD缶の高火力と安定さはお墨付きでしょう。
また、OD缶はCB缶と比べ、サイズのバリエーションに富んでいるのが特徴です。
110~500g前後の3サイズが一般的ですが、標準サイズの250であれば1泊2日のキャンプで問題なく使用できます。
グツグツと長時間煮込む調理は別ですが、3食ともふつうに使用する分であればガスも半分程度は残る感じです。
また、250サイズであればCB缶に比べてコンパクトなので、積載という点でもアウトドアに向いていますよね。
OD缶のデメリット
OD缶のデメリットとして、まずは価格でしょう。
一般的なCB缶が100円前後で購入できるのに対してOD缶は500円前後です。
この価格を見て、CB缶用ガス器具で揃える方もいらっしゃるでしょう。
ただし、この価格には過酷な環境でも安定的な火力を提供できるという理由があることも忘れずに覚えておきましょう。
また、OD缶は数年前まで気軽に購入できないということがありました。
ホームセンターでも見かけることはなく、遠くのアウトドア専門ショップまで買いに行ったりネットなどで早めに購入しておく方が多かったようです。
しかし、アウトドアブームの影響もあるのか最近ではホームセンターなどで購入できるようになっています。
さらに、アウトドア専門店も数が増えてきているので、いざほしい時に購入できずに困ることは少なくなったように感じます。
ただし、CB缶のようにどこにでもある訳ではないのでストックの確認は忘れずに行いましょうね。
CB缶 | OD缶 | |
火力 | 弱い | 強い |
寒冷地高山での使用 | 不安定 | 安定 |
サイズ | 250g | 110~500g |
価格(250g) | 100~500円 | 500円前後 |
購入場所 | ホームセンター、スーパー、コンビニ、アウトドア専門店 | ホームセンター、アウトドア専門店 |
こんな人向け | 家でもカセットコンロを使う、予算を抑えたい | 火力重視、冬キャンプや雪中キャンプをする、予算よりアウトドアらしさを優先 |
火力の違いは「ガス缶」だけでなく「ガス器具」との組み合わせで決まる
ノルマルブタン | イソブタン | プロパン | |
沸点 | -0.5 | -11.7 | -42.1 |
火力 | 弱 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 強 | ||
価格 | 安 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 高 |
ガス缶に混入されるガスには、気化温度が異なるノルマルブタン・イソブタン・プロパンという3種類があります。
一般的に、CB缶に多く含まれるのはノンマルブタンでイソブタンが多少という感じです。
OD缶には、気化温度が低いイソブタンやプロパンが多く含まれます。
プロパンのような帰化温度が低いガスは、周囲の環境温度が低くても効率的にガスを供給できる特徴があるのでアウトドア向きとされているのです。
さらに、そのガスの出力をガス器具側が上手く消費することによって、結果的に火力が強くなることにつながります。
要は、OD缶用ガス器具はアウトドアのような過酷な環境下でも適正な火力出力ができるように設定されており、OD缶ガスとOD缶用ガス器具の組み合わせで「火力が強く」なるのです。
しかし、最近ちょっと状況が変化しつつあります。
「普通のキャンプならCB缶、高山や雪中キャンプなど環境の厳しいアウトドアではOD缶」という常識が変わろうとしているのです。
最近では、CB缶の中にも気化温度が低いイソブタンやプロパンが含まれるものが販売されるようになってきました。
さらに、CB缶専用ガス器具もアウトドア用に作られたものも見かけるようになり、ふつうのキャンプでも強い火力を求める場合にはオススメです。
ガス缶を選ぶ目安として、冬キャンプで外気温が-10℃以下であればOD缶やプロパンが含まれるCB缶を選択すると良いでしょう。
安全面からも、同メーカー純正のガス缶を使うのが基本になりますのでガス器具購入の際に同時購入できるのがベストです。
まとめ
CB缶とOD缶の火力の違いは単体ではなく、ガス器具との組み合わせで火力が発揮されることが分かりました。
アウトドアブームの過渡期に入り、キャンパーの声も反映されやすくなっています。
今後も新たなガス缶やガス缶器具の販売に期待しつつ、キャンプの調理中に「ガス缶ウンチク」を熱く語ってみませんか。