寒い季節のキャンプを快適に過ごすためには、暖房器具が活躍します。
数ある暖房器具の中でも、カセットガスストーブはコンパクトさと手軽さから人気を集めています。
しかし、テント内での使用には注意が必要です。
今回はテント内での使用の注意点も解説しながら、カセットガスストーブの選び方やおすすめ商品を紹介します。
当記事のコンテンツ
カセットガスの基本知識
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身近な燃料でもあるカセットガス。
まずは安全に使用するための基本知識を知っておきましょう。
カセットガスの構造
カセットガスの中には、液体状のガスとそれが蒸発した気体状のガスが詰め込まれていて、独自の仕組みによって気体のガスだけを取り出せるようになっています。
カセットガスの出口の細い管は、缶の内部でL字に曲がっています。
カセットガスを使用する機器は、切り込みの形状を必ず上にして使用するようになっています。
内部で折れ曲がった管が、液体ではなく気体の部分に露出し、気体のガスのみが放出される仕組みです。
切り込みを下に向けて使用すると管が液体のガスに浸かり、気圧でガスが噴き出し大きな事故につながります。
基本的な知識として覚えておく必要があります。
カセットガスの保管方法
数日の間、または短時間カセットガスを保管、運搬する際は「直射日光に当たる場所に置かない」「40度以上の場所に置かない」が基本。
ガスボンベの温度が高くなりすぎるとボンベが爆発する恐れがあり危険です。
自宅などで長期間保存する際は、湿気が少なく温度変化の少ない場所で保管しましょう。
ボンベの使用期間は、全メーカー共通で「7年」と設定されています。
これは使用されているゴム部品の劣化による期限で、中身のガスが劣化、変質することはありません。
カセットガスの廃棄方法
カセットガスを廃棄する際は、必ず使い切ってからが鉄則です。
ボンベを振ってみて、シャカシャカと音がしたらまだガスは残っています。
その場合は、カセットガスのプラスチックキャップを外し、屋外の火の気のない風通しのいい場所で、先端を下にしてコンクリートなどの硬い場所に押し付けます。
そうすることで安全にガスが抜けていきます。
決してボンベに穴を開けるようなことをしてはいけません。
ガスが噴出して止まらなくなり非常に危険です。
メーカー間の互換性
カセットガス機器とカセットガスは同一メーカーの物を使用することが原則とされています。
ただし、メーカーが違っていても形状的には互換性があるので使用は可能です。
メーカーなどの安全試験は、自社同士の製品で行われていますので、安全のため基本的にメーカーは揃える必要があります。
カセットガスの規格が共通化されている理由には、災害時における機器の規格を統一する必要性からと言われています。
価格が違っていても、中に詰められているガスの種類が同じであれば性能に差はありません。
あくまでも自己責任で、状況に応じて判断していきましょう。
カセットガスストーブの特徴
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燃料が手に入りやすい
カセットガスストーブの燃料であるカセットガスは、スーパーやホームセンター、店によってはコンビニなどでも安価で手に入れることができます。
気軽に購入できて、安全に持ち運べるのが大きなメリットです。
使い方が簡単
石油ストーブのように灯油を補充する作業の必要もなく、臭いや汚れもつきにくいのが魅力。
カセットガスをセットするだけなので、使い方がとても簡単です。
緊急時にも役立つ
カセットガスストーブは、電源を必要としないので災害時や緊急時にも役に立ちます。
お湯を沸かせるようなモデルもあり、暖かい光と空気は心を落ち着かせてくれます。
暖房能力は控えめ
カセットガスストーブの暖房能力は、石油ストーブに比べると劣ります。
そのため広範囲を暖める使い方より、足元周辺などスポット的に暖める使い方が効果的です。
長時間利用には不向き
1本のカセットガスで使用できる時間はおよそ2~3時間程度。
部屋のメイン暖房器具としてはランニングコストもかかり不向きです。
燃料が使いまわせる
カセットガス使用の機器の種類はたくさんあります。
シングルバーナーやカセットコンロなどでも使えるので、燃料を統一することで荷物を減らすことができます。
カセットガスストーブを選ぶポイント
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屋内用と屋外用
屋内用のカセットガスストーブには、「転倒防止装置」「立ち消え安全装置」「不完全燃焼防止装置」の3つの安全装置を付けなければいけない法規制があります。
屋外用のカセットストーブはこれらの装置を付けなくてもいいため、屋外用を屋内で使用することは禁じられています。
屋内用のカセットストーブは、厳しい寒さに対応できる設計になっていないものもあるのでパワーが発揮できないということもあります。
キャンプで使用する際は、安全装置の付いた屋外用が最も安全です。
安全性
火気を使用する機器なので、安心できるメーカーの商品を選ぶのがおすすめです。
価格帯だけで決めずに、安全性の確認を怠らずに購入しましょう。
安全装置が搭載されている商品や、歴史のあるメーカー、クチコミなどを参考に選ぶといいですね。
収納性
キャンプで使用するカセットガスストーブは、持ち運びや収納に便利なコンパクトなモデルがおすすめ。
サイズの違いによって暖房能力も変わってきます。
スペースや使用人数とのバランスを考えて選びましょう。
燃費
使用シーンを想定して、連続使用時間も確認しましょう。
それに応じて、ガスボンベの必要本数も変わってきます。
連続使用時間は気温などによっても変動するので、余裕をもってカセットガスを用意しておくと安心です。
デザイン
ストーブは、キャンプサイトの中でも存在感の大きいアイテムなので、好みのデザインを選ぶのも大切です。
最近では、アウトドアブランドやアパレルブランドとのコラボ商品や限定モデルも販売されています。
石油ストーブのようなデザインの商品も人気です。
カセットガスの種類
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店頭で販売されているカセットガスは、大きく分けると「ノーマル」と「ハイパワー」の2種類に分かれます。
構造は同じですが、含まれるガスの種類によって違いがあります。
ブタン(ノルマルブタン)
ノーマルのカセットボンベの主成分は「ブタン(ノルマルブタン)」です。
ブタンのガスボンベは気温マイナス0.5度まで使用することができますが、実際のフィールドでは気温が10度を下回ると火力が落ち始めます。
イソブタン
ハイパワーのカセットボンベの主成分は「イソブタン」です。
高価な商品には「プロパン」が混合され、さらに寒さに強いものもあります。
イソブタンのガスボンベは、気温マイナス11度まで使用することができますが、やはり実際のフィールドでは氷点下を下回ると火力が落ちてきます。
キャンプで使う際の注意点
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換気を徹底する
ガス機器を使用する際に重要なのが「換気」です。
一酸化炭素中毒を防ぐために、必ず換気を行いましょう。
一酸化炭素は、目に見えす危険性が分かりにくいので一酸化炭素警報器を設置すると数値が目に見えるので安心です。
配置場所を考える
ストーブの周りには燃えやすいものを置かないようにします。
特にテントの生地は風でなびくことがあるので、十分な距離を取る必要があります。
また、小さい子どもやペットが触って火傷をしないよう工夫も必要です。
定期的なメンテナンス
ストーブは定期的に清掃し、安全に使用できるか確認しましょう。
部品の劣化などがみられる場合は、使用を中止する必要があります。
カセットガスストーブのおすすめ5選
Iwatani マル暖
出典:Iwatani
Iwataniのマル暖は電池も電源コードも必要なく、屋内外で使用できるのでアウトドアやキャンプシーンでも大活躍のカセットガスストーブです。
石油ストーブのようなデザインで、天板にやかんを置いてお湯を沸かすこともできます。
不完全燃焼防止装置、立消え安全装置、転倒時消火装置、圧力感知安全装置の4つの安全装置を搭載。
燃料の交換も手が汚れず簡単に行えます。
Iwatani マル暖の基本情報
本体サイズ | 343×368×382mm |
重量(カセットガスを除く) | 約4.5kg |
カラー | マットブラック |
連続燃焼時間 | 約1時間40分 |
Iwatani マル暖の口コミ・レビュー
災害用の備蓄として、またアウトドア用として購入しました。
レトロで可愛いデザインで簡単に使えます。
灯油ではないのであふれる心配もなく、どこへでも持ち運ぶことができます。
センゴクアラジン ポータブルガスストーブ
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アラジンの人気モデルのブルーフレームをモチーフにした、あこがれのフォルムのガスストーブ。
コンパクトなサイズで持ち運びにも最適で、室内だけでなくアウトドアでも活躍します。
トルネードバーナー搭載により効率よく、空間をくまなくふんわりと暖めます。
不完全燃焼防止装置、立消え安全装置、転倒時消火装置、圧力感知安全装置の4つの安全装置搭載で安心。
センゴクアラジン ポータブルガスストーブの基本情報
サイズ | 33.5長さ x 33幅 x 38.6高さ cm |
重量 | 約5.7kg |
連続燃焼時間 | 強 約1時間40分、弱 約4時間20分 |
センゴクアラジン ポータブルガスストーブの口コミ・レビュー
灯油式と違ってコンパクトなのも、燃料臭くならないのもいいです。
ただ、ガスが長持ちしないうえに灯油式にはパワーが劣るので、予備的な暖房として使っています。
Iwatani カセットガスファンヒーター風暖
出典:Iwatani
Iwataniの風暖は、カセットガスの燃焼熱によってファンを回すファンヒーターです。
ファンが回ることで温風が出るので、部屋の隅々まで素早く暖めることができます。
本体内で発電するので、電源コードも必要なく持ち運びも楽々。
弱と標準モードの2段階のパワーを選べることで、ガスの消費を節約することもできます。
不完全燃焼防止装置、立消え安全装置、転倒時消火装置、圧力感知安全装置、温度過昇防止安全装置と5つの安全装置が搭載。
Iwatani カセットガスファンヒーター風暖の基本情報
サイズ | 319×260×438mm |
本体重量 | 約4.7kg(カセットガス含まず) |
連続燃焼時間 | 標準運転時:約1時間40分 ※2 弱運転時:約2時間30分 ※2 |
Iwatani カセットガスファンヒーター風暖の口コミ・レビュー
1缶でおよそ2時間と少し燃費が悪いので日常使いではなく、非常用やちょっとした場面で活躍しています。
FORE WINDS アウトドアヒーター
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FORE WINDSはガスメーカーIwataniのアウトドアブランド。
「機能的で良質なデザイン」をコンセプトに、スマートで快適なアウトドアスタイルを提案しています。
FORE WINDSのアウトドアヒーターは、屋外専用。
いろんなところに連れて行きたくなるコンパクトなサイズ感と使い勝手の良さが特徴です。
調整器付きバルブ搭載で、点火中に持ち運んだり揺らしても炎が燃え上がることがありません。
コンパクトながら、球状のバーナーとリフレクターの組み合わせで、より広い範囲を暖めてくれます。
FORE WINDS アウトドアヒーターの基本情報
展開サイズ | (幅)181×(奥行)261×(高)244mm |
収納サイズ | (幅)181×(奥行)208×(高)169mm |
重量 | 約0.82kg |
連続燃焼時間 | 約160分 |
FORE WINDS アウトドアヒーターの口コミ・レビュー
手にしてみると、シンプルながら考えつくされたデザインで感動しました。
缶がむき出しで冷えないかという懸念がありましたが、缶を下から支える部分がブースターの役割にもなっているので心配ありませんでした。素晴らしい商品です。
KOVEA CUBIC
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KOVEAは1982年に設立された韓国のアウトドアブランドです。
韓国で初めて安全で便利なポータブルガス機器のトレンドを切り開きました。
CUBICはキューブ型のガスヒーター。
キューブストーブをモチーフにしたボックス型のデザインと、ステンレスボディはモダンでシンプル、かつ頑丈で様々なシーンで活躍します。
KOVEA CUBICの基本情報
サイズ | 177奥行き x 161幅 x 163高さ cm |
重量 | 1.5kg |
安全装置 | なし |
KOVEA CUBICの口コミ・レビュー
小さくキューブ状なので収納性がいいのが嬉しいです。
火力調整もしやすく、燃費もいい。
安全で快適なキャンプを楽しもう!
カセットガスストーブは、寒い季節に快適にキャンプを楽しむ便利なアイテムですが、安全に使用するには注意する点がいくつもあります。
基本的に、メーカーはテント内での使用は禁止しています。
使用の際は自己責任となりますのでしっかりと安全対策を忘れずに。