ストーブ本体からニョキっと飛び出た煙突姿が無骨で印象的な「ロケットストーブ」。
実はデザイン性だけでなく、ジェット並みの高火力で燃焼効率に優れるほか、2次・3次燃焼ができるロケットストーブなら厄介な煙や煤を無煙化できるなど機能性も兼ね備えているのをご存知ですか?
そこで今回は、「ロケットストーブの魅力」や「薪ストーブとの違い」、また「2次・3次燃焼できるおすすめ商品」や「使用する際の注意点」など網羅してご紹介していきます!
当記事のコンテンツ
ジェット並みの高火力!ロケットストーブの魅力とは?
ロケットストーブとは、L字型やJ型の形状をした燃焼器具のこと。
煙突型の排気管と燃焼室からなるシンプル構造ながら、煙突効果を利用し高火力で燃焼効率に優れているのが特徴です。
また、従来の薪ストーブや焚き火台にはないインパクトのあるデザインが印象的で、煙突から炎が勢いよく上がる様子から「ロケットストーブ」と呼ばれています。
そんなロケットストーブの魅力が以下の3つ。
- ロケットエンジン並みの高火力で燃焼効率に優れる
- 少ない燃料で高火力を発揮するので燃費がよい
- 2次・3次燃焼できるので煙や煤(すす)が出ない
それぞれ詳しく解説していきます。
ロケットエンジン並みの高火力で燃焼効率に優れる
ロケットストーブは、煙突効果により燃焼効率に優れているのが特徴です。
煙突効果とは、高温となった空気が上昇気流を起こし、煙突下部から新鮮な空気を取り込む現象のことを指し、効率よく空気を循環させ燃焼させることができます。
また、煙突があることで冷たい外気の影響を受けず、高温のまま煙突内を勢いよく上昇できるため、ロケットエンジンのようなパワフルな火力を発揮することが可能です。
少ない燃料で高火力を発揮するので燃費がよい
ロケットストーブは、燃焼効率に優れているので少ない燃料でも高い火力を発揮します。
そのため、多くの燃料を必要とせず素早くお湯を沸かせたり調理ができたり、燃費に優れているのが特徴です。
2次・3次燃焼できるので煙や煤(すす)が出ない
ロケットストーブは、1次燃焼で燃え残った煙や煤(すす)の原因となる未燃焼ガスを逃さず2次・3次燃焼(再燃焼)することが可能です。
一般的な薪ストーブは、燃焼室で薪が燃えた(1次燃焼)あと、酸素不足により燃え残った未燃焼ガスが煙や煤となり発生しますが、「2次燃焼」できるロケットストーブは高温となった煙突内で燃え残った未燃焼ガスを再燃焼させることが可能です。
さらに2次燃焼でも燃えきらなかった未燃焼ガスを再度燃焼できるのが「3次燃焼」となります。
そのため、2次燃焼できるロケットストーブは煙や煤を大幅に抑制し、さらに3次燃焼できるロケットストーブなら無煙化できるのが最大の特徴であり、薪を燃やした際に煙が目に染みたり嫌なニオイが衣服についたりすることがありません。
また、煙に含まれる煤の発生も抑えることができるので、煙突内のメンテナスも容易となります。
【関連記事】二次燃焼ができる焚き火台の効果とは?おすすめやデメリットも紹介!
ロケットストーブと薪ストーブの違いとは?
薪を燃やす燃焼室に煙突を備えるなどロケットストーブと薪ストーブでは構造上同じではありますが、おもに以下の違いがあります。
ロケットストーブ | 薪ストーブ | |
火力 | ◎ | ◯ |
燃焼室の広さ | △ | ◎ |
煙突効果 | ◎ | ◯ |
暖房効果 | ◯ | ◎ |
価格 | ◯ | △ |
煙突効果に優れ、高火力で勢いよく燃え上がる炎のロケットストーブに対して、薪ストーブはゆらゆらと穏やかに燃焼するのが大きな違いとなります。
また、燃焼室が広く一度に多くの薪を入れることができる薪ストーブに対し、ロケットストーブは狭く小さいため頻繁に燃料を継ぎ足す必要があるのも違いのひとつです。
そのため、高火力で燃焼効率に優れたロケットストーブは素早くお湯を沸かしたり調理したりするときに、また薪ストーブは暖房効果に優れているので、長時間ポカポカ暖かく過ごしたい用途に最適といえます。
【関連記事】「寒さを乗り切るおすすめの薪ストーブ10選!抜群の暖かさで夜でも快適に」
ロケットストーブの選び方
ロケットストーブを選ぶときは、以下の3つのポイントに注目しましょう。
ポイント①煙突の有無に注目しよう!
ロケットストーブには、「煙突あり」と「煙突なし(内蔵型)」の2種類があり、それぞれ以下のメリット・デメリットがあります。
メリット・デメリット | |
煙突あり | ◎煙突が高いほど燃焼効率が高く、高火力が得られる ◯煙や煤を大幅に抑制できる ○煙突にゴトクをセットすれば同時に2ヶ所で調理ができる △煙突が高いほど不安定となり、調理面積が狭い △組み立てる手間が掛かる |
煙突なし | ◎重心が低いので安定感がある ◯大きな火柱が上がらないので比較的安全に取り扱える ◯調理面積が広く大きな鍋が置ける △煙突ありに比べ燃焼効率が低い △同時調理には不向き |
煙突ありのロケットストーブは、燃焼効率が高く高火力が得られるので調理や暖房用途など幅広い用途に活躍しますが、煙突が高いほど風の影響を受けやすく不安定となるので取り扱いに注意が必要。
また、本体内に煙突を内蔵した煙突なしは重心が低いので安定感が高く、火傷のリスクも抑えられるので安全に取り扱えますが、煙突ありに比べ燃焼効率が劣ります。
そのため、煙や煤の発生を抑え、調理や暖房など幅広い用途に使用したい場合は「煙突あり」を、また設置が簡単で安全性を重視するなら「煙突なし」のロケットストーブを目安にするとよいでしょう。
ポイント②コンパクトに収納できると持ち運びしやすい
キャンプやアウトドアで使用する場合は、持ち運びしやすいコンパクトなロケットストーブがおすすめです。
コンパクトなロケットストーブは、収納や持ち運びがしやすいため、荷物を減らしたい場合に便利です。
また、重量も軽いため、女性や子供でも簡単に持ち運ぶことができます。
ポイント③「火力調整機能」があると使い勝手がよい
出典:Amazon
火力調整機能が付いているロケットストーブは、空気の取り込み量を変えることで火力の強弱を調整できるため、さまざまな用途に使い勝手がよく使用することができます。
例えば、料理をする場合は、火力を弱めることでゆっくり時間を掛けて煮込みたい料理に最適であり、また火力を高めることで素早くお湯を沸かせたり食材を焼き上げたり、どんな調理をするかで火力を使い分けることが可能です。
一方、暖を取る場合は、火力を強めることで効率よくカラダを温めることができます。
2次・3次燃焼できるおすすめのロケットストーブ
ここからは、2次・3次燃焼ができるおすすめのロケットストーブをご紹介していきます。
おすすめ①ファイヤーサイクロン サイクロンバズーカX
京都府「たくみの里」に本社を構え、ロケットストーブの開発・販売を手掛ける株式会社ファイヤーサイクロンの螺旋状に燃え上がる美しい炎が特徴的な3次燃焼ロケットストーブ。
煙突内部で炎が渦を巻き燃焼効率がアップするサイクロンヒートライザー(特許出願済み)を採用し、燃焼効率と耐久性を高次元で両立しています。
暖房はもちろん、ホットテーブルや温度計付きステンレス製ピザプレートを装備しているのでさまざまな調理も可能。
電源を必要としないので非常時にも使用できます。
サイズ | ストーブサイズ:幅225×奥行415×高さ750mm ホットテーブル:幅700×奥行300×高さ860mm |
重量 | ストーブサイズ:25.3kg ホットテーブル:本体15.6kg、天板7.6kg、脚2kg |
燃焼効率 | 3次燃焼 |
おすすめ②モキ製作所 俺のかまど MK6K
出典:モキ製作所公式サイト
無煙薪ストーブを製造・販売している「モキ製作所」のコンパクトに収納できる組み立て式ストーブ。
キャスター付きなので持ち運びしやすく、アウトドアでの使用に適しています。
出典:モキ製作所公式サイト
独自に開発した特許技術「茂木プレート」により800℃での高温燃焼が可能であり、高度な3次燃焼を発揮し少ない薪で高い燃焼効率を生み出すなど小型ながらパワフルなのが特徴。
かまどで炊きたてのご飯を作ったり、天板を外して焼き芋や串焼きなどさまざまなアウトドア料理に挑戦することができます。
サイズ | 幅190×奥行328×高さ267mm |
重量 | 6.6kg |
燃焼効率 | 3次燃焼 |
モキ製作所 俺のかまど MK6Kの購入者レビュー
・無煙ハイパワー!燃焼効率は良好、燃えカスはほとんど残らない。温まりだすと遠赤外線がかなり発生するので、冬キャンのお供に必須アイテム。
・女性一人でも組み立て、持ち運びできます。
おすすめ③ペトロマックス ロケットストーブ rf33
出典:Amazon
世界のランタン愛好家から絶大な人気を誇るドイツ発灯油ランタンブランド「ペトロマックス」の2次燃焼ロケットストーブ。
内部構造の燃焼筒(ヒートライザー)で強烈な上昇気流が発生し、ヒートライザー内で再燃焼させることができます。
出典:Amazon
付属のステンレス板を取り付けることで薪を安定して焚き口に置くことが可能。
ハンドル付きなので持ち運びしやすく、設置・撤収時も楽々です。
サイズ | φ23.5×33cm |
重量 | 7.5kg |
燃焼効率 | 2次燃焼 |
ペトロマックス ロケットストーブ rf33の購入者レビュー
・火力調整も容易で調理用に最適。強火にすればロケットのようになり、大鍋でもアッという間に沸騰させられる。弱火からとろ火にもできるため炊飯もバッチリ。
・ゴトクも頑丈で非常に安定しており、料理に向いていると思います。
おすすめ④バンドック ロケットストーブ
出典:Amazon
重量約3.0kgと非常に軽く持ち運べるバンドック製ロケットストーブ。
煙突上部にゴトクが付いているので、本体と合わせ2箇所で同時に調理することができます。
出典:Amazon
3段階に空気調整できるので火力を自在に操れるのが嬉しいポイント。
お手軽な価格が魅力的であり、ロケットストーブの火力を試してみたいというエントリーユーザーにおすすめです。
サイズ | 使用時:(約)幅670×奥行150×高さ700mm 収納時:(約)幅505×奥行155×高さ170mm |
重量 | 約3.0kg |
燃焼効率 | 2次燃焼 |
バンドック ロケットストーブの購入者レビュー
・何でもよく燃えます。捨てるような紙くずや木の葉などで十分火が付きます。
・現地で初めて組み立てたのですが、結構大きく用意した薪がアッという間になくなりました。ロケット効果で良く燃えます。
おすすめ⑤High Camp Go!! ボンフレイム ロケットストーブ
出典:Amazon
唯一無二のソロキャンプギアを日本国内で生産しているアウトドアブランド「High Camp Go!!」が展開するコンパクトなロケットストーブ。
小型ながらシングルバーナー級の高火力を発揮し、クラウドファンディングで支援総額2,100万円を達成した話題の2次燃焼型ロケットストーブです。
出典:Amazon
1.5mm厚の丈夫なステンレス板を採用することで高火力でも変形する心配がなく、使い込むほど質感に深みが増すなど無骨なソロキャンプに相性抜群!
ゴトク付きで鉄板料理も楽しめ、2か所同時の高温調理が可能です。
サイズ | 組立時:幅360×奥行123×高さ460mm 収納時:幅360×奥行123×高さ125mm |
重量 | 本体重量:2.6kg(耐荷重:3kg) |
燃焼効率 | 2次燃焼 |
ロケットストーブを使用するときの注意点
ロケットストーブを使用するときは、以下の点に注意するようにしましょう。
- 火傷や火災
- 一酸化炭素中毒
火傷や火災に注意
ロケットストーブを使用する場合、本体や煙突が高温となるため火傷のリスクが高まります。
また、煙突から勢いよく炎が上がるほか本体下部から火や煙が逆流することもあるため、引火して火災を起こさないよう周囲に可燃物を置かないなどの対策が必要です。
一酸化炭素中毒に注意
ロケットストーブをテント内で使用するのは非常に危険なので、必ず屋外で使用するようにしましょう。
テント外に煙突を出し排気できる薪ストーブと違い、ロケットストーブは屋外に排気できないためテント内で使用すると一酸化炭素中毒になり、場合によっては命に関わります。
まとめ
今回は、高火力で燃焼効率に優れた2次・3次燃焼できるロケットストーブをご紹介してみました。
2次・3次燃焼できるロケットストーブは、燃え残った不燃焼ガスを徹底的に燃やし尽くすので煙や煤が出ないほか、煙突効果で火力が高く少ない燃料で効率的に燃焼できるので燃費がよいのが最大の特徴です。
今回紹介した選び方やおすすめ商品を参考に、ロケットストーブを取り入れ快適なキャンプライフを楽しんでみてくださいね!