今回は冬キャンプに欠かせないダウンジャケットの、ちょっと人に自慢したくなる暖かさの秘密から賢いダウンジャケットの選び方などなど、元ショップスタッフが詳しくご紹介いたします。
ダウンジャケットの基礎知識を知ることでポカポカ暖かく快適な冬キャンプを楽しむことが出来るので、ぜひダウンジャケット選びのご参考にしてみてくださいね。
当記事のコンテンツ
ダウンジャケットが暖かい理由とは?
そもそもなぜダウンジャケットが暖かいのか・・・
まずはダウンジャケットの暖かさの秘密をご紹介していきます。
そもそもなぜダウンジャケットが暖かいのか?
暖かさの秘密はダウンが作り出す空気の層
ダウンジャケットの暖かさの秘密はデッドエアーと言われる空気の層
ダウンのふわふわした嵩高が動かない空気の層を作り出し、その動かない空気の層に体温で暖まった空気を溜め込む事によって保温性を確保しています。
「デッドエアー」と言われる空気の層が断熱効果を発揮
空気の層があることで体熱の放出を抑制し、また外部の冷気を遮断する断熱効果として発揮。空気は個体や液体に比べて熱伝導率が低いため、優れた断熱効果を発揮します。
ダウンジャケットの暖かさの秘密はデッドエアーと言われる空気の層。空気の層が断熱効果を発揮し体熱の放出や外部の冷気を遮断。その断熱効果により高い保温性を確保します。
ダウンジャケットを選ぶときにチェックすべきポイント
✓ ダウンジャケットを選ぶときにチェックすべきポイントがこちら
- 中綿の素材(羽毛or化繊)
- ダウンとフェザーの比率
- ダウンの品質を示す「フィルパワー(FP)」
それではひとつひとつ解説していきます。
ポイントその①:中綿の素材(羽毛or化繊)
ダウンジャケットの中綿には羽毛と化繊があります。
羽毛の特徴とは?
羽毛は主にグース(がちょう)やダック(あひる)など水鳥の綿毛が使われています。特にダウンボールと言われるフワフワと芯のない綿毛が使われ、その綿毛に多くの暖かい空気を溜め込むことができます。また羽毛は吸湿性が高く、カラダから発する水蒸気を吸着し吸着熱として発熱できるのが特徴です。
✓ 羽毛のメリット
・フワフワとした芯のない綿毛が嵩高を作り出し大量の空気を溜め込める
・フワフワとした綿毛なので軽くコンパクトに収納できる
・吸放湿性に優れているので暖かく蒸れにくい
✓ 羽毛のデメリット
・水に濡れると嵩高が潰れやすく乾きにくい
・天然素材のため匂いが気になる
・羽毛抜け
化繊の特徴とは?
化繊とはポリエステルなどの化学繊維綿のこと。繊維自体に空気を取り込めるよう中空構造をした特殊形状とすることで保温性を確保しています。化繊は水濡れに強く乾きやすいのが最大の特徴ですが、その反面羽毛と比較すると嵩張りやすく重くなりがちです。
✓ 化繊のメリット
・水に濡れても乾きやすく保温性が安定している
・型崩れしにくく耐久性あり
・洗濯などのメンテナンスが容易
✓ 化繊のデメリット
・嵩張りやすい
・重量が重くなりがち
・羽毛と比較すると暖かさを感じにくい
ポイントその②:ダウンとフェザーの比率
羽毛はダウンとフェザーの2種類に分けられます。
ダウンとフェザーとは
一般的に「ダウン」とはタンポポのようなフワフワした綿毛であるダウンボールのことを言い、嵩高を作り出すことが出来るので暖かい空気を溜め込みやすくなります。一方フェザーは芯のある羽毛を指し反発力があるのが特徴。フェザー自体に保温性はありませんが、羽毛が押し潰された時の復元力を補助したりダウンボールの絡まりを抑える役割があります。
比率による違い
羽毛製品はこのダウンとフェザーを配合することで高い機能性を発揮します。
その比率は「ダウン○○%:フェザー○○%」と表記され、製品によって違いがあります。ダウン率70%の羽毛布団もあればダウン率90%のアウトドア用品があるなどその比率はさまざま。ダウン率が高い方が軽量で柔らかく、フェザー率が高くなると肌触りが固く重いダウン品質になります。
アウトドア用途ではダウン90%:フェザー10%以上の比率を目安にすると良いでしょう。よりダウン比率が高いほうが軽量で柔らかく、保温性に優れた高品質なダウンといえます。
ポイントその③:フィルパワー(FP)
フィルパワー(FP)とは
フィルパワー(FP)とは、ダウンが押し潰されても元に戻ろうとする復元力のこと。復元力が高いほど空気の層を安定して維持できるので保温性が高く、フィルパワーの数値が高いほど高品質と言えます。
例えば800FP(フィルパワー)であれば、1オンス(28.4g)の羽毛が800立法インチの体積に膨らむことを意味し、900FPなら900立法インチに膨らみます。数値が大きいほどより多くの空気を溜め込むことができ、また断熱効果も高くなるので高品質なダウンと言えます。
アウトドアに最適なフィルパワーの目安とは?
キャンプや登山などアウトドア用途に最適なフィルパワーの目安がこちら
- 600〜700FP・・・良質ダウン(街着やトラベルなど)
- 700〜800FP・・・高品質ダウン(一般的なアウトドア用途)
- 800FP以上・・・最高品質ダウン(厳冬期や雪中キャンプなど)
冬キャンプに最適なダウンジャケットの条件とは?
✓ 冬キャンプに最適なダウンジャケットの条件がこちら
- 焚き火の火の粉に強い難燃素材
- カラダをポカポカ暖めてくれる保温性
- 雨風からカラダを守る防風・防水素材
冬キャンプに最適なダウンジャケットは、寒い気温にも負けない保温性はもちろん、焚き火の火の粉に強い難燃性に優れた素材がおすすめです。
その①:焚き火の火の粉に強い難燃素材
焚き火で暖を取る冬キャンプには、火の粉に強い難燃性に優れた素材がおすすめです。難燃素材なら焚き火の火の粉が飛んでもダウンジャケットに穴が開くトラブルを軽減できます。
特に化繊素材のダウンジャケットは火の粉の影響を受けやすいので、焚き火や暖房器具を扱う冬キャンプは耐火性に優れた難燃素材が非常に心強いでしょう。
難燃素材とは、火がついても燃えにくい性質を持った素材のこと。例え火が付いても燃え広がる範囲を最小限に留めることが出来、防火に優れています。
その②:カラダをポカポカ暖めてくれる保温性
冬キャンプでの使用を考えたときに一番重要となるのが保温性に優れたダウンジャケット。気温の低いキャンプ地ではフィルパワーの高い高品質ダウンがおすすめです。
フィルパワーの高い高品質ダウンなら、焚き火で暖を取りながら食事を楽しんだり、コーヒーを飲みながら綺麗な星空を眺めたり、冬キャンプを最大限快適に過ごせます。
その③:雨風からカラダを守る防風・防水素材
急な天候不良でのドタバタが予測されるアウトドアには、咄嗟の雨風に対応した機能素材のダウンジャケットがおすすめです。防風・防水に対応した機能素材なら、風が強い日でも衣服内に冷たい風を通さず、雨で濡れても保温性を維持することが可能です。
化繊ダウンならまだしも、水濡れに弱い羽毛ダウンなら一気に保温性が低下してしまうので、防水素材のダウンジャケットがあれば安心でしょう。
防風・防水素材のアウターを重ね着することで断熱効果が高まり、本来のダウンの保温性を効果的に発揮することが出来ます。
まとめ
今回は、冬キャンプに最適なダウンジャケットの選び方をご紹介してみました。
寒い冬キャンプは保温性に優れたダウンジャケットが一番最適。
中綿の種類とダウンとフェザーの比率、そして一番保温性の判断基準となるフィルパワーに注目して、個々のキャンプスタイルに最適なダウンジャケットを選んでみてくださいね。