バーベキューや焚き火で火起こしする際の燃料となるのが「炭」と「薪」。
しかし、その使い分けが分からず「バーベキューでは炭と薪どっちが正解・・・?」と疑問に思う初心者キャンパーさんが多いのでは?
そこで今回は、炭と薪の基礎知識として「それぞれの特徴や種類」を始め、「用途別の使い分け」や「効果的な火起こし方法」まで網羅してご紹介していきます。
炭と薪の違いを理解することで、より美味しく調理できたりポカポカ暖を取れたり効果的にキャンプを楽しむことが出来ますよ!
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バーベキューをするなら「炭」と「薪」どっちが正解・・・?!
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キャンプで火を起こす際の燃料となるのが「炭」と「薪」。
しかし、キャンプ初心者にとってはその違いが分からず、「バーベキューをするなら炭と薪のどっちが正解・・・?!」と疑問に思う方が多いのでは?
結論からお伝えすると、
- バーベキューなどの調理用途なら「炭」
- 焚き火で暖を取る用途なら「薪」
上記のように、その用途によって使い分けることで炭と薪の特徴を最大限発揮することができ、バーベキューではより美味しく、焚き火ではより暖かく快適なキャンプを楽しむことが可能です。
ではなぜ「バーベキューなどの調理用には炭」「焚き火には薪」と言えるのか、その理由を次に解説していきます。
炭と薪の違いとは?
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まず、「炭」と「薪」では以下のような違いがあります。
- 【炭とは】 木材を蒸し焼きにして炭化させたもの
- 【薪とは】 木をそのまま切り出したもの
炭と薪は、どちらも火を起こすための燃料として使われますが、その違いと特徴を理解しておくことで用途に合わせて適切な燃料を選ぶことができます。
そこでまずは、以下にそれぞれの特徴を詳しく解説していきます。
「炭」の特徴
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炭は、木材を高温下で蒸し焼きにし炭化させた燃料のことを指し、以下のような特徴があります。
- 火力が安定しやすい
- 炭の量で火力調整が出来る
- 遠赤外線効果で食材の中までしっかり火が通せる
炭は、火力が安定しており火加減の調整ができるので「調理用」の燃料として最適です。
焼き鳥屋やうなぎ屋などで炭火が使われるように、炭火には「遠赤外線効果」があり食材の中までしっかり火を通しふっくら美味しく焼き上げることが出来るので、バーベキューなどの調理にも最適と言えます。
「薪」の特徴
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薪は、木をそのまま切り出したものであり、以下のような特徴があります。
- 勢いのある炎で火力が高い
- 火力が高いため暖房効果に優れる
- 炎の揺らぎで癒やし効果が得られる
薪は、炭と比べて勢いよく燃え上がるため火力が高く暖房効果に優れるので、焚き火で癒やしを感じながら暖を取る用途に最適です。
しかしその反面、火加減を一定に保つことが困難となるので調理には不向きとなります。
上記のように、炭と薪ではそれぞれ特徴に違いがあるため、炭はバーベキューなどの「調理用」に、また薪は焚き火やキャンプファイヤーなどの暖を取るための用途に使い分けることで最大限の効果を発揮し、より快適なキャンプを楽しむことが可能です。
炭や薪の種類
炭や薪にはそれぞれ種類があり、その種類の特徴を知ることでより効果的に使い分けることが出来ます。
炭の種類
炭には、おもに以下の種類があります。
- 黒炭(こくたん・くろずみ)
- 白炭(はくたん・しろずみ)
- オガ炭
以下に、それぞれの特徴を解説していきます。
黒炭(こくたん・くろずみ)
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黒炭とは、ナラやクヌギなどの木材を土窯で焼きあげ炭化させた木炭の一種であり、炭質が柔らかいので火付きが良いのが特徴と言えます。
そんな黒炭には、そのほか以下のような特徴があります。
- 火がつきやすく火力調整がしやすい
- ホームセンターなどで入手しやすく比較的安価
- 大きな爆跳が起こらない
- 燃焼時間が短い
- 煙が多くニオイがある
黒炭は、密度が低いので火の回りがよく、木炭内のガスや水蒸気がパンパンと爆ぜる「爆跳」が比較的起こりにくいので初心者でも扱いやすいのが特徴です。
またホームセンターなどで入手しやすくリーズナブルな価格なのもポイントとなります。
その反面、黒炭の燃焼時間は約2時間程度と備長炭やオガ炭に比べて短いため頻繁に炭を継ぎ足す必要があり、煙が多くニオイがあるのがデメリットとなります。
白炭(はくたん・しろずみ)
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白炭とは、カシやナラなどの炭材を高温で焼成し、素灰を掛けて急冷させ消火したものを指し、表面の灰が白く見えることから「はくたん」や「しろずみ」と呼ばれ、その代表に「備長炭」があります。
そんな白炭の特徴が以下の通りです。
- 黒炭に比べて火持ちが良い
- 長時間安定した火力を保つ
- 煙が少なく、不純物が少ないのでニオイも少ない
- 火がつくまで時間が掛かる
- 爆跳が起こりやすい
白炭は、黒炭よりも高温で焼き固めているため、煙が少なく臭いが少ないというメリットがあります。
また、燃焼時間が長いため、長時間安定した火力を維持することが可能です。
その反面、着火しにくく爆跳が起こりやすいというデメリットがあるので初心者には扱いにくいと言えるでしょう。
オガ炭
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オガ炭とは、製材時に発生するオガクズを再利用し圧縮加熱成形して作られた木炭の一種であり、炭の中心が空洞になっているのが特徴的です。
そんなオガ炭には、以下のような特徴があります。
- 価格が安くコスパに優れる
- 燃焼時間が長く、火力が安定しており火加減を調整しやすい
- 灰が少なく爆跳の危険性が少ない
- 煙やニオイがある
- 着火しにくい
オガ炭は、オガクズを再利用して作られているので価格が安くエコな燃料というのが大きな特徴であり、火力も高く燃焼時間も長いのでコスパに優れているのがメリットです。
着火しにくく煙やニオイが出るのがデメリットとなりますが、灰が少ないので後片付けが簡単であり爆跳も少ないので初心者でも比較的扱いやすいと言えます。
【関連記事】「着火剤がいらない着火炭おすすめ7選!火起こし簡単で楽々BBQ!」
薪の種類
薪には、大きく分けて「針葉樹」と「広葉樹」の2種類があります。
以下にそれぞれの特徴をまとめてみました。
針葉樹
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針葉樹とは、葉が針のように細長く尖った樹木を指し、マツやスギ・ヒノキなどが代表となります。
針葉樹は、密度が低く油分を多く含んでいるので火付きが良いのが特徴です。
そのため焚火初心者でも火を起こしやすいのがメリットとなりますが、薪ひと束で約1〜2時間と燃焼時間が短いので焚き付けや着火剤代わりとしての用途や短時間での焚き火キャンプに最適です。
広葉樹
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広葉樹は、葉が広く平たい形状をした樹木を指し、カシやクヌギ・ケヤキ・ブナなどが代表となります。
広葉樹は、密度が高く油分が少ないので着火しにくく燃えにくいのがデメリットとなりますが、一度火がつけば薪ひと束で約3〜4時間と燃焼時間が長く火持ちが良いため長時間での焚き火に最適です。
また、煙やニオイが少ないので室内での使用も可能であり、薪ストーブや暖炉の燃料としても最適と言えます。
炭と薪の効果的な火起こし方法
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炭と薪では、火起こしの方法に若干の違いがあります。
そこでここからは、炭と薪を効果的に火起こしするための方法をそれぞれ解説していきます。
炭の効果的な火起こし方法
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炭に火を起こす効果的な手順が以下となります。
- 着火剤や新聞紙などの焚き付けを準備する
- 空気の通り道を意識して炭を高く積み上げる
- 着火剤に火をつけ、炭に火が移るまで待機する
- 炭に火がついたら空気を送って火を大きくする
炭に火をつけるときは、着火剤や新聞紙などを焚き付け(火をつけるための燃えやすいもの)に使用するのがポイントです。
火は下から上に上昇するという性質があるため、炭は大雑把に並べるのではなく空気の通り道を意識して高く積み上げることで効果的に火を起こすことが可能となります。
また、うちわや火吹き棒を使って空気を送ることで火を大きくすることが出来ますが、その際は火が落ち着いたタイミングで下から上に風を送るのがポイントです。
薪の効果的な火起こし方法
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薪に火を起こす効果的な方法が以下となります。
- 枯れ葉や小枝を焚き付けに準備する
- 焚き付けを積み上げた上に細い薪を並べる
- 焚き付けに火をつけ、薪に火が移るまで待機
- 徐々に太い薪を焚べていき火を大きくする
薪に火をつけるときは、乾燥した枯れ葉や小枝を着火剤代わりに使用するのがポイントです。
炭と同様、薪を並べる際は空気の通り道を意識し、燃えやすい針葉樹を焚き付けに使うことで比較的手軽に火を起こすことが出来ます。
そのあと火持ちのよい広葉樹を焚べていくことで効果的に火を大きくすることができ、長時間焚き火を楽しむことが可能です。
【関連記事】「失敗しない薪の火起こし方法はコレ!基本知識とコツを惜しみなく紹介します。」
まとめ
今回は、炭と薪の基礎知識としてそれぞれの違いや用途による使い分け、また効果的な火起こし方法までご紹介してみました。
炭は安定した火力で火加減の調整ができるのでバーベキューなどの「調理」に最適であり、火力が高く暖房効果に優れる薪は「焚き火」用途に最適です。
今回紹介した炭と薪の基礎知識を参考に、それぞれの特徴を最大限発揮出来るよう用途によって使い分け、快適なキャンプライフを楽しんでみてくださいね!